仕事で成長できないのは、なぜ?トレーニングの原則から方法を考えてみた

仕事で成長できないのは、なぜ?トレーニングの原則から方法を考えてみた

仕事で成長ができる人と、できない人の違いはどこにあるのか。

今回は、仕事における成長を身近なトレーニングの原則から紐解いてみたいと思います。

・仕事で成長したいけど、成長スピードが遅いと思っている方
・最近、成長を実感しにくくなってきたと思っている方
・部下や他の人の成長をサポートしたいマネジャーの方

など、ご参考になるような記事となっています。

前回の記事が好評だったので、より体系的に肉体的なトレーニングと自己成長の関係性について比較していき、体系化していきたいと思います。

関連記事:自己成長するためには何が必要か。筋トレから自己成長のヒントを得る

トレーニングにおける7つの原則

トレーニングには、いくつか原則があります。まずは一覧として見ていきましょう。

・過負荷の原則
・斬新性の原則
・反復性の原則
・個別性の原則
・意識性の原則
・特異性の原則
・可塑性の原則

これは、トレーニングの世界では有名な7つの原則ですが、肉体的なトレーニング以外の、仕事やスキルのトレーニングに当てはめたらどうかと考えてみました。

今回は特に、過負荷の原則と仕事における自己成長との比較を紹介していきます。

過負荷の原則とは

過負荷の原則とは、

身体が日常的に受けている、慣れている刺激を超える刺激を身体に加えるということです。

これは過去記事でも紹介した原則ですが、現状以上の負荷を常に与えなければ成長しないということです。

例えば、ベンチプレスで40kg 10回上げられる人が、ずっと40kgのトレーニングを続けていても、40kg以上の重さを上げられることはないということです。

当たり前のことですが、この原則は超重要です。

現状耐えられる負荷以上の負荷を定期的に与え続けないと「成長」はできないということです。

仕事で成長できないのは、負荷がないから

過負荷の原則を仕事における成長に当てはめてみましょう。

まず思い出してください。新卒、1年目で入社した会社の仕事は、覚えることがたくさんあり、慣れていないので負荷は大きかったと思います。

次に、2年目になると仕事内容にも慣れ始めていき、段々と負荷は減っていきます。すると成長は緩やかに遅くなっていきます。

仕事も過負荷の原則と同じで、業務内容に慣れてくると負荷に対して慣れてしまうため、それ以上に成長が難しくなってきます。

現状、仕事で成長できていないと実感のある方は、改めて現状の仕事の負荷を考えてみてはいかがでしょうか。

仕事においても、適正な負荷を与え続ける

仕事で自己成長を強制的に促すためには、肉体的トレーニングと同様に、日常的に慣れている負荷以上の負荷を、あえて与え続けなければいけません。

仕事において置き換えるならば、より難易度の高い業務を担当するとか、責任が求められる仕事を担当するとか、仕事量を増やしてみるなどが当てはまるでしょう。

もっとより具体的な方法を考えるために、トレーニングにおける負荷の上げ方を参考にしてみます。

トレーニングにおける過負荷の方法

トレーニングにおいて過負荷の方法から、仕事における成長のヒントを得たいと思います。

まずはトレーニングにおける過負荷の方法を以下にまとめてみました。

・重量を増やす
1セット当たりの回数を増やす
・セット数を増やす
・セット間の休憩の時間を短くする
・運動の難易度を上げる
・可動域を広げる
・トレーニングの頻度をあげる
1つの動作のスピードを上げる
・減量しながら、同じトレーニングメニューをこなす
・フォームのブレを減らす

これらをヒントに仕事における負荷の増やし方を考えていきます。

難易度の高い仕事に挑戦する

まず、一つ目の重量を増やすというトレーニングの負荷を仕事に当てはめてみます。

具体的に負荷を上げるとは以下の通りではないでしょうか。

・より難易度の高い仕事に挑戦する
・高い責任の伴う仕事を積極的に引き受ける
・新たな業界やポジションでの仕事を求める(転職する

一度、現状の自分の負荷がどれぐらいかを検証してみると良いでしょう。

ギリギリの水準で頑張っている場合を100%として、今のあなたは主観でも何%の力で仕事に取り組んでいますか?

もし、50や60%しか発揮できていないのならば、早急に業務内容の見直しを図り、自分により強い負荷をかけていきましょう。

もし、現状負荷を増やすことができない環境にあるならば、「転職」を考えることも負荷を増やす手段としては大いにありです。

関連記事:転職活動で失敗しない、就職先のミスマッチを回避するための方法を紹介

仕事で、集中作業時間を増やす

トレーニングにおける「1セット当たりの回数を増やす」を仕事に当てはめてみます。

これは、一回の作業時間における集中する時間を増やすということと同等と考えられます。

例えば、これまで作業時間1回当たり15分しか集中できなかったとしましょう。

集中時間とは、目の前の仕事”だけ”に取り掛かっている状態をさします。

携帯電話や他のウェブサイトを見てしまった場合は集中時間は途切れているとします。

この1回当たりの集中時間を伸ばすことが、このトレーニングに当てはまります。

1回当たり15分だったところを25分に伸ばす。25分ができたら、次は30分に挑戦してみる等、集中時間を伸ばすことが仕事での自己成長につながります。

仕事量(集中する時間)を増やす

トレーニングにおけるセット数を増やす、を仕事の負荷にあてはまめてみます。

これは、1日の中での仕事で集中する時間の回数を増やすということが該当するでしょう。

すなわち、集中作業時間の総数を増やすということです。

ポイントは、「集中」している時間を増やすということであって、ダラダラと仕事の時間長引かせるという訳では決してありません。

仕事における時間あたりの集中という質を保ちながら、量を増やすということです。

1日の仕事の中で、どれだけ集中した時間を確保できていますか?実は、計測してみると分かるのですが、意外に少ないと思います。

携帯電話を見たり、同僚と会話したり、Webでネットサーフィンしたり、タバコ吸ったり、など集中していない時間が意外に多いと思います。

仕事一つだけに集中している時間を伸ばすこと、これも自己成長につながる一つの方法でしょう。

時間を見える化して生産性を上げる方法は、以下、別記事を参照してください。

関連記事:生産性が高い仕事人に共通する、時間を徹底的に見える化する時間管理術

仕事の休憩時間や休日を削る

仕事やトレーニングにおいても休憩時間自体は必要不可欠ですが、休憩時間を短くすることで、負荷を増やすことが可能です。

例えば、これまでは、仕事の合間に休憩時間を30分取っていたとしましょう。この休憩時間を30分から15分に縮めるということです。

休憩時間を無駄に取っていては、自分に負荷がかかっていない状態になってしまうので、休憩時間も見直すことが成長につながる方法です。

1日での休憩時間を削る以外にも、休日を削るということも方法として考えられます。

仕事で成長できないと悩んでいて、本気で成長を目指しているならば、休日の時間を半日ぐらいは、仕事や学習の時間に当てることで、負荷を上げることができるでしょう。

慣れていない新たな仕事に挑戦する

トレーニングにおける「運動の難易度を上げる」を仕事に当てはめてみます。

これは、重量を増やすと似ていますが、仕事内容そのものを自分にとって難易度が高いものに変えていくということです。

・これまでに慣れていない新たな仕事に挑戦する
・目標設定を高くして、仕事の難易度を上げる
・新たな業界やポジションでの仕事を求める(転職する)

現状の会社で、これ以上難易度が上げられないということであれば、職場を変える転職も一つの手段として考えらるでしょう。

関連記事:転職活動で失敗しない、就職先のミスマッチを回避するための方法を紹介

ただ、企業の中での仕事はいくらでもあるはずなので、まずは現状で難易度を上げられるかどうかを再度判断してみましょう。

仕事における業務範囲を広げる

トレーニングにおける「可動域を広げる」を仕事に当てはめてみます。

肉体的なトレーニングにおいては、より身体の可動範囲を広げることが負荷につながるという意味です。

仕事に当てはめてみると、自分の業務の範囲を広げてみることが当てはまるでしょう。

例えば、これまで営業しかしてこなかった人が、採用活動も挑戦してみる、などです。

自分の専門性、強みを生かして、業界や働く場所、一緒に働く人を変えるなども、活動範囲を広げるという意味で自己成長につながります。

一つの強みを掘り下げて、いろんな業界で活躍できる人材をT字型というのですが、この可動域を広げるという負荷の掛け方は、T字型人材を目指すことに近いと考えられます。

もし、より高度な負荷をかけて自己成長を促したいのであれば、他の業界や会社で挑戦するのも一つのきっかけとなるかもしれません。

単純に仕事の時間を増やす

トレーニングにおける「トレーニングの頻度を増やす」を仕事に当てはめてみます。

これは、「休憩時間を短くする」という項目と似ています。

簡潔に言えば、仕事時間を増やすということです。これまで以上に時間をかけられれば、今まで以上には確実に成長することはできるでしょう。

年間の労働時間が5,000時間(普通の従業員の4倍近く)働いている著名経営者が多いのは、因果関係があると思います。

時間だけではないのですが、やはり量と自己成長の早さには必ず関係性があると思われます。

自分の労働時間を見直し、目標値を引き上げるというのは手っ取り早く成長できる手段であると考えられます。

仕事のスピード、生産性を上げる

トレーニングにおける「1つの動作のスピードを上げる」を仕事に当てはめてみます。

これはすなわち、仕事のスピードを上げるということです。これまでの業務で1時間かかっていたところを30分で終了させることを目指すなどです。

時間を意識して仕事をするということは、普段の仕事ではなかなかできていない人が多いと思います。

具体的な方法としては、ストップウォッチなどで業務時間を図り、見直すということができます。

まずは、時間を管理して、生産性を上げる方法を考えてみましょう。

業務を仕組み化したり、アウトソースしたり、本当に重要な業務だけに取り掛かるようにするなど、生産性を上げる手法は様々あります。

関連記事:生産性が高い仕事人に共通する、時間を徹底的に見える化する時間管理術

時間的な制約を設定して、生産性を上げる

トレーニングにおける「体重を減らしつつ同じワークアウトをこなす」を仕事に当てはめてみます。

これは、一つの仕事のスピードを早くする方法に似ています。

例えば、強制的に目標退社時間を設定して、それまでに強制的に終わらせるという方法も考えられます。

小さな子供を持つ母親が仕事を早く切り上げなければいけないために、高い生産性を発揮して業務に当たっているケースも多々あります。

時間的制約があるからこそ、生産性の向上が見込める場合もあるので、試してみる価値はありそうです。

あえて、労働時間を短くして、時間的制約を自分に課し、同じ業務内容をこなす。これができるようになれば、仕事における自己成長につながるでしょう。

「フォームのブレを減らす」を自己成長に当てはめる

トレーニングにおける「フォームのブレを減らす」を仕事に当てはめてみます。

フォームのブレを減らすとは、すなわち無駄な労力を使わないということです。

これを仕事に当てはめると、仕事上の「無駄」な業務を排除するということです。

普段仕事をしていると、気づかないうちに多くの無駄に時間を費やしていることがあると思います。

決まったやり方であるから、ルールだから、といった理由によって、多くの無駄な業務が発生していると思います。

こういった業務を一度見直し、本当に必要な業務なのか、何のために必要なのかといった本質的な問いをすることで業務の無駄を減らすことができます。

業務の無駄を減らすことができれば、本当に重要な業務に時間をかけることができるため、より効率的に成長につながるでしょう。

仕事で成長できない状態は解決できる

トレーニングの原則と、方法を無理矢理にでも日々の仕事に当てはめてみると、驚くほど共通点があることに気がつくと思います。

今回挙げた方法のいくつかを日常生活で意識して試してみて、実際に効果があったかどうか検証してみてはいかがでしょうか。

仕事で成長ができない場合の解決案は必ずあります。現状の職場で、それが叶わないのなら、他の活躍できる場所を探しましょう。

現状の環境で探そうとするから、難しいと諦めている方が多いのかもしれません。

転職活動に関しての記事も参考程度にまとめていますので、こちらもご参考になれば幸いです。

日常業務には慣れが発生してしまい、成長への意識はどうしても弱まってきてしまいます。

一人でも多くの人が「成長」に目覚めて、生産性、競争力が上がれば、強い企業が生まれ、日本も生産性の高い国になれるのではないだろうかと期待しています。