2018年米国、AI、人工知能、スタートアップまとめ(シード期)

2018年米国、AI、人工知能、スタートアップまとめ(シード期)

Textio(人工知能 x ライティング)


https://textio.com

事業内容

Textioはインターネット上の求人票の内容と、実際の採用の成果をリアルタイムでデータとして収集、解析。求人票の中のどのフレーズが影響しているのかをデータとして纏めている。クライアントはTextioを活用することで、求人票が自動的にスコアリングされ、最適な求人票を作成することが可能となる。例えば、単語ごとに、より良い結果をもたらす単語に削除、変更することを推奨したり、どのフレーズが女性、男性への訴求力があるかなどを自動分析し提示してくれる。

注目点

求人票はどの企業も作成しているが、どの文章や単語がどのように影響しているのかはこれまで理解されてこなかった。しかし、求人票の単語一つ一つが求職者に何らかの影響をもたらしていることは明らかであった。TextioはそのブラックボックスとなっていたプロセスをAIとビックデータの技術を用いて解明し、求人票作成のプロセスを最適化してくれる。シンプルなデザインのプラットフォームなので、操作性もわかりやすくて、実際に活用した企業は採用効率も上がっているので、多くの企業に利用されている。既にトータルで50億近く、調達されている。

個人的見解

採用担当者なら誰でも経験したことであろう、求人票の作成。実はとても面倒である、しかし良い求人票の作成が採用に直接影響することは明白であり、課題でもあった。これまで、そこを科学的に分析することは難しい領域であり、単純なA/Bテストはできたとしても、細かい単語レベルで影響力を解明することは不可能であった。Textioのサービスは、細かいレベルでの分析、推奨を可能にする革新的なサービスである。日本でも広まれば、一気に使われる可能性が秘められていると考えている。

Lilt (人工知能 x 翻訳)

https://lilt.com/

事業内容

NML (Neural Machine Translation)と呼ばれる人工知能を活用し、これまで以上に翻訳作業をスピーディーかつ低コストで質の良いものを提供している。トップレベルの翻訳家と、翻訳家の翻訳作業を学び、サポートする人工知能との組み合わせで、翻訳に新たなイノベーションを起こしている。

注目点

翻訳作業は、機械単体だと不正確であるケースが多々あり、一方で翻訳家に依存すると高いコストを請求され、これまで悩まされていた。当社サービスの強みは、機械と人の作業の組み合わせであり、人工知能はリアルタイムで翻訳家の作業を学習するため、使われるごとに翻訳家のサポートの精度も上がる。コストと正確性を兼ね備えてたサービスであり、使われるごとに精度が増していくので先行者優位もある。

個人的見解

サービスのグローバル化が進む中で、多言語化は大きな課題となっている。しかしこれまで高コストによって、正確な翻訳を諦めていた会社は多々あったと考えられ、当社サービスのニーズは今後も益々増えていくと考えられる。日本の場合だと、上場企業の翻訳センターなんかが該当領域。日本語の多言語化という面では参入障壁はあるだろうが、当社からすればコスト削減につながるため利益相反にもなりかねないのか。面白い領域である。

Socratic (AI x 教育、学生向け宿題サポートアプリ)

http://socratic.org

事業内容

学生向け、宿題の回答を人工知能によって提示してくれるアプリ。アプリを起動して、質問項目を写真で撮影、アプリが質問内容を認識し、答えまでたどり着く方法をStepごとに提示してくれる。算数や科学など様々なジャンルに対応。下記サンプル問題の回答参考。

 

注目点

アプリの評価の高さ、グローバルのマーケットでは2万件レビューがあり、平均値が4.9と驚異の高さ。アプリ自体もシンプルで、簡単な質問ならば瞬時に認識、答えを提示してくれる。 答えのみを提示するのではなく、細かい解説方法もヒントと合わせて提示してくれるため、学習効果も期待できる。

個人的見解

答えを簡単に提示してくれるので、自分の頭で考える力がつくかどうかが疑問だが、教育が行き届いていない環境などでの自己学習には重宝されるサービスと考えられる。かつ、解説の細かさがすごいと感じた、それぞれのステップを踏めば、回答にたどり着くことができるので、効率的に学習ができる。日本でも数学などであれば活用できる。

Monument (データ保存 x 画像認識)

http://getmonument.com

事業内容

写真や動画データを自動的にバックアップ保存する外部ハードウェア。スマートフォン、パソコン、SDカード、カメラなどあらゆるタイプのデバイスから保存可能。写真整理も画像認識や人物認識によって自動でカテゴライズされる仕組みとなっている。

注目点

Google Cloudのハードウェア版といったところ。自動整理機能が付いている点が魅力的。iPhoneでは既に人物整理などはついているが、当サービスはそれ以上に景色についても分類可能。

個人的見解

クラウドの安全性が問われる中で、安全上から自分個人のハードウェアを持つ傾向が出てくるのではないだろうか。価格は、169.99ドルと求めやすい価格となっている。