2018年度、日本、医療・介護・ヘルスケア分野、注目のスタートアップ18社まとめ

2018年度、日本、医療・介護・ヘルスケア分野、注目のスタートアップ18社まとめ

個人的な見解として今後注目に値するスタートアップを紹介していきたいと思います。

今回は、国内で数少ない成長マーケットと言われるヘルスケア業界のスタートアップを紹介しています。

ビジネスモデル、今後の成長性、経営陣など多角的な視点から面白そうなスタートアップをピックアップしています。

全体の傾向として、治療系のアプリや、AI x ヘルスケア、業務支援システムがトレンドとして多く、今後の成長が期待できる領域だと考えられます。

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Dr. Joy (院内、院外連携システムの提供)

リンク https://www.drjoy.jp/

事業紹介
MRと医療現場を効率的に繋ぐシステムの提供、院内、院外との連携を高めるSNS機能の提供。

注目すべき点
医療現場は院外の業者との取引が多々発生する、特にMRとのやり取りが多く発生する。

MRとのアポの設定が面倒、面会のデータや入退出の記録がデータとして残っていないなどの課題があった。

Dr. Joyはそれらの課題をシステムを通じた解決策を提供し、業務効率化とリスク管理を促すことが可能となる。

院内・院外連携は企業向けのSlackの医療版に似ている。従来はLINEやMessangerを活用していたが、プライベートと分ける必要や情報管理の面からクローズドなSNSへのニーズがある。

個人的見解
創業者が薬剤部に所属していた際に、2年間かけて開発したサービスということだけあって、院内の業務の課題や実態を把握したソリューション提供ができているのだろう。

そのため、導入実績の数が多く、と成長スピードがとても早い。

病院インサイダー発のサービスはやはり受け入れられやすいのだろう。インサイダーであることの重要性が改めて、実感させられる事例である。

ロジック (訪問介護、看護事業社向け業務支援システム)

リンク https://logic-is.co.jp/

事業紹介
スマホとICタグを活用した訪問介護、看護事業者の業務支援システムの提供。

患者宅のICタグ活用で、ヘルパーの勤怠管理の厳密化が可能、システムに情報入力するため業務効率化、見える化が可能。

注目すべき点
500事業所への導入実績、導入しやすさと利用のしやすさが支持されている。ICタグ使用のモデルは特許出願中。

個人的見解
介護業界の課題を解決するスタートアップとしては、最も注目すべきスタートアップではないだろうか。

かなり面白い領域であり、今後の成長は確約されていると思われる。

ミルテル (検査)

リンク https://www.mirtel.co.jp/service/mir/

事業紹介
がんやアルツハイマーなどの超早期発見を可能にする検査を提供。各臓器から出る疾患特異的な因子を検出し、検査する。

注目すべき点
腫瘍マーカーなどに比べて、超早期(ステージ0の段階)での発見が可能となり、早期介入、予防が可能となる。

個人的見解
この領域はかなり面白く、革新的な領域。

価格をいかに抑え、大衆にどのようにマーケティングするかが鍵となってくる。海外に比べて、どの程度先進的なのかが気になるところ。

海外の富裕層向けなどでも海外展開の可能性はありそう。

カケハシ (薬局向けシステム)

リンク https://kakehashi.life/

事業紹介
電子薬歴システム「Musubi」を提供。薬剤師の服薬指導をシステムでサポート。

注目すべき点
患者の個人登録情報を基に、服薬指導と生活アドバイスを自動で提案しくれる点。

服薬指導中に薬歴の下書き作成する点を通じて、薬剤師の業務量を減らすことが可能。

薬剤師と患者の距離を身近にするサポートとなる。健康サポートとの拠点として薬局の役割が期待されるトレンドに沿ったシステムを提供している。

個人的見解
薬局各社は、健康サポート店舗の展開を標榜し始めており、国としても薬局が地域の健康インフラとなることを期待している。

その流れをサポートする形で当社のソリューションはダイレクトに答えてくれる可能性があり、ヘルスケアスタートアップの大本命と言える。

ハカルス (AIソリューション提供)

リンク https://hacarus.com/ja/

事業紹介
少量学習AIソリューションの提供。スパースモデリング技術を用いて、少量のデータから結果を抽出するAIソリューションを提供。

注目すべき点
ビックデータが構築できないシチュエーションで活用が期待、少量データでの解析が可能なのでコストが安い。

個人的見解
少量学習AIソリューションは面白い領域、技術的に優位性があるのであれば、ヘルスケア以外の領域でも多々活用できるため、かなり高い注目に値する。

ヘルスケアのデータは正確性とデータの量に制約がある領域が存在するため、有効活用できれば、様々なサービスの基盤となる。他社のAIサービスの基盤となる可能性を秘めているため、大注目。

MICIN (AIソリューション提供)

リンク https://micin.jp/

事業紹介
医療データをAIなどで解析・活用するデータソリューション事業

注目すべき点
これまで埋もれていた情報をAIを活用して解析、活用する。国立がんセンターとの共同研究として、大腸がん手術の動画解析など、これまでにない研究事例が今後も期待される。経営陣やサポーターの布陣が一流。

個人的見解
具体的なマネタイズのポイントが明確ではないが、ヘルスケアx AIで様々な課題を解決しようとしているので、今後が注目。

ハカルスなどの、解析技術に強みのある会社と一緒に何かできる可能性もあるのではないか。

Ubie (クリニック向けシステム提供)

リンク https://www.company.dr-ubie.com/

事業紹介
簡単に病気予想するアプリ「Dr Ubie」、病院向けAI問診「Ubie」の提供

注目すべき点
病院向けAI問診は、患者の記入の手間が楽になり、ドクターも問診内容を電子カルテへ記入が簡単に済むので業務効率化が期待できる。

個人的見解
アプリの成長はニーズとマーケティングの難しさから今後がどうなるかは定かでない。

一方で、AI問診はかなり面白い。患者目線からでも、紙にいちいち書くのは面倒であり、正確性にも欠ける。

ペーパーレス化ができ、クリニックの業務負担の削減につながるのであれば、ニッチな領域だが一気に浸透する可能性も秘めている。

スタートアップなので、電子カルテ業社などと提携が進めば営業組織を持たずに、浸透させられる可能性もあり。

エンブレース (ソーシャル医療プラットフォーム)

リンク https://www.embrace.co.jp/index.html

事業紹介
ソーシャル医療プラットフォーム「メディカルケアステーション」を無料で提供。200を超える医師会が採用、30,000を超える医療介護関連施設が参加。

その実績を基にシステムフレームワークの販売、アプリ開発、販売促進などのサービスを提供。

注目すべき点
圧倒的な使用実績があるため、活用事例やデータの保有量で他社よりも先行。

個人的見解
プラットフォームを無料で提供して、一気に浸透させる戦略は秀逸。

すでに他社に比べて先行者メリットを享受している。今後どのようにマネタイズ可能なコアな自社サービスを確立させて行くかが課題と見える。

サスメド (治療アプリ)

リンク https://www.susmed.co.jp/

事業紹介
不眠症治療用アプリ「yawn」の開発、認知行動療法をベースとした治療を提供。

注目すべき点
アプリを保険適応にすることに対するこだわりを持って治験を進めており、アプリの治験プロセスそのものが今後の当社の強みとなる可能性がある点が特徴。

ブロックチェーン技術を用いた臨床開発の効率化、データ改ざんの防止は革新的な取り組み。

個人的見解
ブロックチェーン x ヘルスケアの領域は非常に面白い。改ざん防止という意味では、治験領域において相性がかなり良さそう。

キュアアップ (治療アプリ)

リンク https://cureapp.co.jp/

事業紹介
治療アプリの開発

注目すべき点
禁煙治療、非アルコール性脂肪肝炎、メンタルヘルス領域において治療アプリを開発。

治療アプリはグローバルで大きなトレンドとなっている。米国では糖尿病患者向けのアプリがFDA認証、保険適応。

個人的見解
日本国内でも治療アプリは、医療費削減やグローバルで戦える数少ない医療領域として国策の一つと考えられている。

インテグリティ・ヘルスケア (遠隔診断アプリ)

リンク https://www.integrity-healthcare.co.jp/service/

事業紹介
対面診療を補完するオンライン診療システムYaDocを提供。

注目すべき点
高齢化による通院が困難な患者の増加、在宅医療のニーズの拡大に合わせてオンライン診断の市場は拡大が予想される。

システムを活用したモニタリングによって、患者の詳細なデータも収集できることが期待される。

医療業界に影響力のある経営陣がいるため、スピード感を持った展開が期待される。

個人的見解
オンライン診療をヘルスケア業界へ浸透させることが思ったよりも時間がかかる可能性があるが、長期でみれば確実に必要なソリューション。

一旦は、福利厚生や会社PRも兼ねた、企業向けといった確実にニーズのありそうな領域で浸透させて、サービスの認知度をあげることが戦略として必要。

クリニカル・プラットフォーム (クラウド型電子カルテ)

リンク https://clipla.jp/

事業紹介
クラウド電子カルテ「クリプラ」、眼科専門クラウド電子カルテ「クリプラ アイ」の提供。

注目すべき点
スマホで撮影した画像を管理画面にアップロードできる機能。直近、ルナルナを運営するエムティーアイ社が株式の過半を取得。

個人的見解
電子カルテ領域は競争が激しいので、一般クリニックむけでローンチした後に眼科に専門特化したのではないかと推察。

ニッチにカテゴリーニッチを目指す戦略は有効と思われる。第三者割当てで外部が大株主となっているので、シナジーがあるかが今後の見どころ。

トリプルダブリュー (ウェアラブルデバイス機器)

リンク https://dfree.biz/

会社紹介
排泄を予想するウェアラブルデバイス機器 DFreeの開発

注目すべき点
国内の巨大介護マーケットの課題を解決する可能性あり。介護施設における尿漏れ、便が漏れてしまうケースは多々あり。

介護施設のオムツ代の負担や、スタッフのケアにコストがかかる。

事前に予想することができれば、課題を解決できる可能性があり。海外展開も視野に入れている。

個人的見解
IoT x ヘルスケアの領域で、ここまで注目されるスタートアップは珍しい。

マーケットの課題にダイレクトに答えることができるソリューションであることの裏返しと言える。

注目はされているが、ビジネスモデルとして、どのように量産化、低価格化し、利益を創出するのかが今後の大きな課題と思われる。

Kids Public (小児科オンライン)

リンク https://syounika.jp/

事業紹介
小児科オンラインのサービス提供。平日の18時から22時限定で、小児科医にLINEや電話で相談できる。

注目すべき点
登録している小児科医の数は50名を超えている、福利厚生の一貫として導入している企業もかなりの数にのぼっている。

時間制限はあるものの、相談回数は無制限というところにサービスの魅力を感じる。

個人的見解
個人での導入は月額会員となってまで使用することは感覚的にはあまりなさそうではあるが、企業としては女性の働きやすさを向上させるという意味で導入する価値はあるだろう。

課題としては、事業が成長していった際にどれだけの小児科医が質問や相談に対してタイムリーに答えることができるかという点であろう。

メドメイン (病理画像診断ソフト)

リンク https://medmain.net/

事業紹介
Deep Learningによる病理画像診断ソフト「PidPort」、医学生向けクラウドサービス「Medteria」の開発・運営

注目すべき点
現在診断結果が出るまで、1-3 週間かかることに比べて診断結果の速さ(1分)、高い精度、地理的制約がないという点(グローバルに展開できる可能性あり)

個人的見解
病理医の仕事を全て代替するわけではないとは思うが、どの程度の精度の高さと、対応する事例があるのかが気になるところではある。

病理医の仕事を補完する形で、初期的には導入していくのか。規制を含めて、具体的な導入方法が気になるところであるが、面白い分野である。

リーズンホワイ (医師向けプラットフォーム)

リンク https://www.reasonwhy.jp/

事業紹介
ネット型セカンドオピニオン「Findme」、医師版のLinkedinである「Whytlink」医療機関企業向け地域連携最適化支援プロット「WhytPlot」専門病院検索エンジン「yourHospital」の提供

注目すべき点
医師限定のプラットフォーム構築で、登録医師が4000人を突破している、Findmeも1200名を超えるなど、着実に医師とのネットワークを構築している。

個人的見解
主力サービスである医療機関情報データベースを武器に、多角的に事業展開を進めており、本丸である医師を抑えることができれば、大きな成長が見込める。

リバーフィールド (医療ロボット)

リンク https://www.riverfieldinc.com/

事業紹介
内視鏡ホルダーロボット、EMAROの開発、販売。執刀医の頭部の動きに連動して、内視鏡を操作できる

注目すべき点
空気圧駆動の技術を生かした感触を伝えられる手術ロボットを目指している点。医療ロボット、ダヴィンチと差別化ができる可能性あり。

個人的見解
デバイスベンチャーでは数少ない有望スタートアップ。内視鏡という日本メーカーが強い領域にまずは的を絞っているので、海外への展開も視野に入れることが可能。

レキオパワーテクノロジー (ジェネリック医療機器)

リンク http://www.lequiopower.com/?lang=ja

事業紹介
特許切れの医療機器、ジェネリック医療機器を途上国向けに開発、販売。メイン製品は、超音波画像診断装置。

注目すべき点
圧倒的低価格(既存製品の1/10)とパソコンのUSB接続で使用可能という利便性を兼ね備えている。メディカルエンジニアも不要で故障した場合は取り替えで対応するので保守も簡単。

個人的見解
ジェネリック医療機器という概念は初めて知った。医療機器は参入障壁や既存企業の圧力によってイノベーションが起こりにくそうな印象だが、新興国にターゲットを絞り、サービス提供しているのでニーズをうまく捉えることができれば拡大する余地あり。今後、医療にアクセスできない層に対してのソリューションを提供するスタートアップには大注目。意外にマーケットは大きいが、大手はイノベーションのジレンマで参入が難しい、有望マーケットかもしれない。

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