地球温暖化、気温上昇の各業界への影響。株式投資のテーマの研究

地球温暖化、気温上昇の各業界への影響。株式投資のテーマの研究

日経新聞で地球温暖化のニュースが上がっていたので、今後長期で続くテーマとして、具体的に各業界への影響を考えてみた。

地球沸騰、生産性に影 世界の7月気温は観測史上最高 30年に350兆円損失とILO試算 異常気象が日常に

地球温暖化によって、色々な観点から生活、企業への影響が想像される記事。確かに既に温暖化によって人々の生活は変わっている。例えば、夏休みだけど暑すぎて海水浴は避ける消費者、それによって売上が減る周辺産業など。
もう少し具体的に産業レベルで考えてみようと思う。

農業・食品業界

農業や食品関連は、気温の変化や温暖化によって生産量が変動する可能性がある。食品価格の高騰、価格の変動が消費者に影響を及ぼすことは想像しやすい。

エネルギー産業

エネルギー産業は、冷暖房需要によって需要は上がる可能性がある、ただし冷却用の水の不足によって生産自体のコストにも影響が出る可能性もある。

観光業界

観光業界は、温暖化によって避暑地として人気だった地域などが避暑地でなくなる、海面上昇によってそもそも観光地で無くなる可能性すらある。
夏休みも、時期によって何も出来なくなる可能性があり、そうなると9月が夏休みとなる可能性すらある。今後ニーズが出てくるのは、気候が比較的寒冷な地域、北の地域が過ごしやすくなるとされると、東北、北海道関連の地域がむしろニーズがます可能性がある。

不動産業界

不動産業界にも影響がある、上記の避暑地のニーズが増すなど地域によってはこれまで価値がなかった場所の価値が上がるかもしれない。また住宅施設に関しては、過ごしやすい環境構築のニーズとして、断熱素材の施工がされた住宅ニーズの需要が増すだろう。

保険業界

保険業界も気候変動によって、リスクが増加する。既に災害が増えることによる損害保険料の増加は保険会社の収益の変動を生み出している。一方で、リスクが増えると保険料は増え、家庭への負担は増える。すると保険料の見直しやより低価格商品のニーズが増してくる。企業によっては、安い価格競争が生まれるので、予測精度が企業の競争力になるが故に、大手の外資系テクノロジー企業の参入さえ考えられる。

製造業界

製造業界も他人事ではない。特に生産プロセスの中で、様々な領域で影響を受ける。適温で在庫管理をしなければいけない商品は、今まで以上に管理コストがかかる。従業員の働きやすさを考えると、稼働時間の制限や環境の整備など追加のコストもかかる。コストをかけた場合には、価格を転嫁出来ない企業は生き残ることはできなくなってくる。

医療業界

医療の業界では、気温上昇に伴う感染症のリスク増大や熱中症の増加は大きな課題となる。これまで流行っていなかった新たな感染症が気温上昇によって増える可能性は十分に考えられる。

IT業界

IT業界に関しては、特に温度管理が必要なデータセンターの冷却コストが増加する可能性があり、データセンターのコストが増える可能性が考えられる。データセンターのコスト増は全てのITを活用する企業への大きなコストとなる。そのような意味でもデータセンターとしての有効な土地のニーズは増してく。また保健業界の絡みでも、リスクの計算のニーズは益々重要となるため、気象データ、環境データをいかに多く保有し、データを用いて精度高く将来予想をするニーズも増してくるのではないだろう。