書評 : どんな業界でも記録的な成果を出す人の仕事力

書評 : どんな業界でも記録的な成果を出す人の仕事力

成果を出している人はどのような考え方をして、実際にどのように成果を上げているのか。

そんなテーマで調査をしていた時にたまたま本書にたどり着きました。

次世代の経営者として注目される伊藤 嘉明氏による著書を紹介します。

以下は、自分の中で参考になった部分です。気になった人はぜひご購入することをお勧めします。

業界外から来たことを強みにする

このポイントは本の中で幾度も取り上げられていました。著者自身、転職を繰り返して、その都度異なる業界に飛び込み成果を上げてきています。

彼がなぜ成果を上げられるのかというと、部外者で業界の常識や縛りに囚われない発想と行動力を持っているからだと思います。

著者自身も、会社が低迷している原因として、業界経験の豊富な人が常識に囚われていることも指摘しています。

これからの世の中、業界の長年の経験や知識というものは陳腐化していくだろうということを説得力を持って理解することができます。

伊藤氏自身も全くの未経験の業界で、圧倒的な成果を残していることがその証拠と言えます。

これから他業界に転職する人などは、業界の中の経験や知識な人と同じ土俵で戦う必要は無いんだと勇気付けられます。

有言実行を大切にする姿勢

有言実行ってかっこいいけどなかなかできないですよね。

私自身、大きなことを人前で約束したり、宣言したりすることはとても躊躇してしまします。

なぜなら、失敗した時が怖いし、周りに宣言して注目されるのが嫌だからです。

日本人に多いと思うのですが、不言実行の美学みたいなものがあります。

不言実行を伊藤氏は卑怯と一刀両断しています。

確かに言われてみれば、何も宣言しないで実行して、実際に成果が上がれば良いものの

成果が出なかったときは、逃げることができるからです。

ビジネスにおいて、有言実行してもらわないと事前にも計画が立てずらいですしね。

この有言実行は何が良いかって、自分に対してのプレッシャーにもなるということ。

言ったことに対するコミットも上がるため、達成の確率も上がります。

この習慣を伊藤氏は若い頃から実行しているので、成果を上げる力が圧倒的にあるのだと思います。

勝てる戦いをする

伊藤氏がこれまで圧倒的に成果を上げてきた背景には、勝てる戦を見極めてきた点も、本の中で紹介されています。

自分の強みが活かせる仕事である、もしくは勝てると信じれる根拠があるところで勝負をすること。

このポイントはビジネスとも一緒ですよね。

会社の強みやアセットを生かして勝てる領域で集中して勝負すること、それが勝利につながる。

勝てる見込みがない、もしくは勝てると自分が信じられない領域で勝負するのは、時間の無駄だし、選択肢としては悪いです。

当たり前のことですが、こういう基本的なところは転職の際に気をつけるポイントでもあり、ビジネス上の戦略作りにおいても参考になります。

戦略の実行で活かせるテクニック

具体的に戦略、計画を決めたところで、実行に落とし込めなければ意味がないとして、そのテクニックを紹介しています。

詳細については本書を読んでいただきたいのですが、特に参考になったのはファクトブックという考え方。

顧客や取引先の情報を細かい担当者の趣味や嗜好も含めて全て記録に残して会社のアセットにするという考え。

人間関係によってビジネスが進むということを強く理解しているのでしょう。

ここまで細かいデータを残しておくやり方は面白いなと思いました。

リーダーとしてやるべきこと

転職してからいきなりトップのポジションに来たとしても伊藤氏は毅然としている印象があります。

その中で、リーダーとしてやるべきことを語っていて、確かにこんなリーダーだったらついていきたいと思うなと強く思いました。

具体的には本書に詳細書かれているのですが、ポイントとしては、

最初の一手はリーダー自身で示す

・成果を出して手本として見せる

・意思決定は全員で、責任はリーダーがとる

能力主義の導入

などなど

まとめ

とにかく本書を読むと、伊藤氏の凄さが分かります。

具体的に成果を求められる外資系の環境でキャリアを積んできたこと。

そして、様々な業界でも成果を出すやり方を身につけ、自分の強みを最大限活かせる領域で勝負しているのでしょう。

リーダーとしてのあり方のところでは、自分が手本になって示す点や文字通り本当に成果を自分で示しているので、有言実行人の鏡だなと感じます。

これから経営者を目指す人、ビジネスで成果を上げたい人、

転職して他の業界で挑戦している人、事業再生の担当をしている人

など、多くのビジネスマンにお勧めの1冊となっています。