空調設備工事、朝日工業社(1975)、業績、売上高分析、成長可能性

空調設備工事、朝日工業社(1975)、業績、売上高分析、成長可能性

本記事では、朝日工業社(1975)の業績、売上高等を分析、考察しています。時価総額が低い割に、売上規模や利益規模などはかなり大きい企業です。割安銘柄に分類されると思います。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/1/4)

時価総額:209億円

PER(予):65.71倍

PBR:0.61倍

PER(予)は、高めに出ていますが、一時的な利益減予想に基づくものでしょう。PBRをみると、0.61倍とかなり低めの値となっているので、下値は限定的と捉えることができるかもしれません。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:72,900

2017年:79,724

2018年:85,064

2019年:88,979

2020年:103,964

2016年からは順調に売上高を伸ばしてきております。時価総額が200億円そこそこの企業で、1,000億円近くの売上高を出しているので、小型株という分類ではないと思いますが、時価総額的には小型に分類されても良い水準だと思われます。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:2,842

2017年:3,722

2018年:3,833

2019年:3,307

2020年:3,661

営業利益ベースでも、2016年からコンスタンスに、20億円後半〜30億円後半を推移しているので、安定して高い水準の利益を出すことができる企業と言えるでしょう。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:1,906

2017年:2,688

2018年:2,760

2019年:2,645

2020年:2,319

当期利益も、営業利益同様に、20億円前後で安定して出せる企業です。2020年の実績ベースでのPERを考えれば、PER10倍を割る水準ですので、かなり割安水準と言えるでしょう。利益ベースでは、2018年がピークだったと思われます。

ROE推移

(単位:%)

2016年:7.6

2017年:10.2

2018年:9.4

2019年:8.8

2020年:7.5

ROEも比較的高い水準をキープしていて、健全と言えるでしょう。

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:3,300

2017年:3,300

2018年:6,200

2019年:5,600

2020年:5,000

有利子負債も、30億〜60億円の範囲で推移しています。2018年以降は、有利子負債も減少傾向にあります。業績が最も良かった年に大きく借り入れをしたことが背景にあるのでしょう。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:10,873

2017年:7,584

2018年:13,128

2019年:12,736

2020年:18,997

現金も潤沢にあります。2020年度では、約190億円近くあり、負債50億円に対しても、ネットキャッシュで140億円近くあることになります。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:5,098

2017年:-1,732

2018年:5,036

2019年:2,008

2020年:8,112

営業活動のキャッシュフローは、2017年のマイナス17億円以外は、プラスで推移しています。かなり振れ幅はあるように見れるのですが、2019年と2020年の二つの年を足して割れば、平均では、約50億円ほどの営業キャッシュフローがあると予想できます。

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-343

2017年:-984

2018年:-1,457

2019年:-808

2020年:-385

投資活動のキャッシュフローは、営業キャッシュフローに比べてかなり低いことが分かります。

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-572

2017年:-573

2018年:1,965

2019年:-1,550

2020年:-1,457

財務キャッシュフローは、2018年以降継続的に減少傾向にあり、収益が良かった年には、財務内容を改善していることが分かります。

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:4,693

2017年:-2,716

2018年:3,545

2019年:1,200

2020年:7,727

ここ数年は、フリーキャッシュフローがかなり良い状態が続いています。2013年以降は、大型の設備投資など建設業界が好調だったことが業績に寄与しているのでしょう。

事業内容

朝日工業社は、空調設備関連事業を展開している企業です。公式HPの事業内容をみると、設備工事事業と、機器製造販売事業を展開しています。

設備工事事業とは

HPを見ると、4つに分類されます。「空気調和・換気設備」「給排水・衛生・消化設備」「工場配管・乾燥・除塵設備」「クリーンルーム設備」の4つです。

一つ目の空気調和・換気設備は、さまざまな建物の空気に関する課題を、二つ目は、水周りに関する課題を、3つ目は、工場などの製造現場で求められる環境設備、4つ目は、特に医療現場などに求められる特異な環境構築となります。

事業領域としてのお客様

設備工事事業のお客様としては、病院介護施設、学校、ホテル、体育施設、水族館、プール、工場、研究所、オフィスビル、官公庁、空港、駅、テレビ局、デパート、地下商用施設、市場、などがあります。幅広い分野のお客様を相手にしていることが分かります。

共通点としては、施設は比較的大規模なところです。

機器販売事業とは

設備工事事業と、もう一つの事業領域として、「機器販売事業」があります。こちらは、自社で製造販売するメーカーとしての立ち位置になります。設備工事事業で培った環境構築を生かして、自分たちも設備工事に関わる製品のメーカーとして製品を販売するという文脈です。

設備工事事業では、様々な他社製品も活用して環境構築をすると推察されるのですが、機器販売事業は、特定の領域において、自社の製品を販売するという違いがあるのでしょう。

主な事業内容としては、半導体、FPD、電子分野向けの環境装置の製造・販売と記載があります。この領域の業界からの影響は多く受ける分野と言えるでしょう。

考察と今後

スクリーニングしていた時から、圧倒的に割安で放置されているという印象通りの数字内容でした。事業内容は、主に建設業界の影響を受ける形になります。

直近の年間有価証券報告書をみると、取引先相手先に、竹中工務店など大手建設会社各社と取引があることが分かります。

建設業界がここ数年好調だったことを背景に、フリーキャッシュフローも好調で、キャッシュも積み上がっている状態です。

財務内容も見ても、投資その他の資産の項目に、投資有価証券を100億円近く保有しているので、ここ数年の株価の好調さも寄与しているのでしょう。

事業内容全体が、景気に大きく左右される建設業界や、FPD(フラットパネルディスプレイ)市場なので、今後の予想としては、若干不安要素はありますが、それでも現在の時価総額はかなり割安水準と考えられます。

領域としては、テーマ性があまりないため株価としては、企業の成長とともに、地味に成長し続ける形か、このまま放置されて横ばい、割安水準を維持するのかというところです。

新型コロナウィルスの影響も、民間投資部門においてはある模様で、今後の動向に注目する必要がある分野と言えます。

配当利回りが良いので、割安投資家でじっくり気長に持ち続けることが出来る人向きの銘柄と言えるでしょう。

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※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。