アルトナー(2163)、事業内容、業績分析、成長可能性

アルトナー(2163)、事業内容、業績分析、成長可能性

本記事では、エンジニアの人材派遣事業を行うアルトナー(2163)の業績、売上高等を分析、考察しています。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/1/4)

時価総額:96億円

PER(予):14.31倍

PBR:3.26倍

時価総額が100億円以下、PERも15倍以下と、割高という水準ではないでしょう。人材派遣事業という領域においては、平均的な水準といったところでしょうか。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:4,761

2017年:5,153

2018年:5,765

2019年:6,331

2020年:7,002

売上高は、綺麗に右肩上がりで伸びています。大手メーカーの研究開発費が重要な指標ということでしたので、この期間で顧客先のメーカーが研究開発費用を増やしていることが要因かもしれません。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:431

2017年:553

2018年:681

2019年:785

2020年:886

営業利益も、売上に綺麗に比例して伸びています。人材派遣事業ということで、ビジネスモデルがシンプルなため売り上げが伸びれば利益が伸びるような構造になっているのかもしれません。派遣している人材もエンジニアと、需要が高い領域なので、高収益が実現できているのかと推察されます。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:276

2017年:363

2018年:480

2019年:540

2020年:613

当期利益も、営業利益同様右肩上がりです。

ROE推移

(単位:%)

2016年:20.3

2017年:22.4

2018年:24.4

2019年:23.1

2020年:22.4

ROEは非常に高いですね。もともとアセットが必要ない、アセットとしては人材ぐらいなので、ROEは高くなりやすい領域とも言えます。20%台をキープできていることは良いポイントでしょう。

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:-

2017年:-

2018年:-

2019年:-

2020年:-

有利子負債はありません。これだけ高収益体制であれば、負債も必要ないでしょう。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:1,301

2017年:1,372

2018年:1,683

2019年:2,050

2020年:2,383

時価総額100億円に対して、23億円近く現金を保有しているのは、キャッシュリッチな会社と言えるでしょう。安心できるレベルの財務体制だと思います。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:307

2017年:192

2018年:471

2019年:612

2020年:591

2017年に少し落ち込みがありましたが、2017年以降は順調に営業CFもポジティブで推移しています。

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-3

2017年:-15

2018年:-25

2019年:-75

2020年:-42

投資キャッシュフローも1億円以下なので、ほとんど投資をする必要がないと言えるでしょう。

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-79

2017年:-105

2018年:-134

2019年:-169

2020年:-215

財務キャッシュフローも若干動きがありますが、大きくはありません。

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:304

2017年:176

2018年:445

2019年:536

2020年:548

事業内容

「ビジネスモデル」、「事業沿革」、「その他」について確認していきたいと思います。

ビジネスモデル

会社HPを見ると結構丁寧に、事業について書かれています。ビジネスモデルの項目では、下記3つのビジネスモデルで展開しています。

技術者派遣事業

こちらは、一般的な人材派遣事業と同じでしょう。領域がエンジニアに特化しているという点が特徴です。また、アルトナーの派遣社員は正社員雇用とのことですので、人材や質は比較的高いのではと予想されます。

請負•受託事業

こちらのモデルは、その名の通り、人を顧客企業に派遣するのではなく、業務を受託、請負するというモデルです。納品まで責任を持って、アルトナーがサービス提供するというところに違いがあります。

メーカーのさまざまな業務プロセスで貢献

メーカーの開発プロセスには、研究開発、製品開発、生産関連と様々な領域がありますが、あるトナーはそれぞれの領域で対応が可能とのことです。

研究開発などの上流工程は、技術的にもかなり難易度が高そうですが、ここまでカバーできる人材が揃っていることが同社の強みの一つなのでしょう。

専門の技術領域は?

機械設計開発、電気電子設計開発、ソフトウェア開発の3つが掲げられています。機械設計開発は、自動車、家電、精密機器等、電気電子設計は、電気機器、電子回路、半導体など、ソフトウェア開発は、自動車関連メーカーやデジタル家電メーカーなどが対象となる模様です。

各領域のビジネスの成長によって影響を受ける可能性もあると言えるでしょう。

事業沿革

1962年に大阪で創業、もともとは設計制作、製図が本業だった模様です。その後、1986年に労働者の派遣事業を開始、2007年にジャスダックに上場、2011年に組織再編、営業所の開設や、ハイパーアルトナーという設計開発の最上流を支援する部署を設立。

2018年に一部上場、採用、教育、営業を集約したラーニングセンターを設立。

上記が、ざっくりとした事業沿革の推移となります。実はかなり古い会社で、2011年ごろの組織再編のあたりから、大きく変化し始めたのではないかと予想されます。最近の動きでは、採用、教育、営業に力を入れているのではと予想されます。

エンジニアの確保、教育というものが確実に競争力につながってくるので、この点の動きは必然なのでしょう。

個人的考察、今後について

経営戦略のところでも記載がありますが、当社の重要なKPIは、稼働人員x技術者単価x労働工数であります。稼働人員 = 技術者数 x 稼働率なので、技術者数をどれだけ多く確保できるか、その人員をいかに稼働率高くお客様へ提供するか、ということです。

この数式は、他の人材派遣事業においても当てはまる式なので、参考になるでしょう。

当社の強みとしては、大手メーカーなどの研究開発プロセスを支援するという、技術的な高さやこれまで蓄積してきた信頼だと思います。

領域としては、自動車や家電など常に一定の需要はある領域ではありますが、景気の変動は受けやすい領域とも言えます。

自動車に関しては、どこのメーカーもEV化が一つのテーマであり、研究開発費を増やしているのではと推察されるので、当社にとっても追い風なのかもしれません。

具体的にどこの企業がクライアントなのかは、HP上に記載はなかったのですが、この辺りも確認できると良いかもしれません。(有価証券報告書には、本田技術研究所への販売比率が高いことの記載はあり)

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※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。