10倍株、テンバガー候補となる企業の探し方、スクリーニング方法

テンバガー候補を発見する探し方、スクリーニング方法
今回は10倍株を探す方法について、方法論を紹介します。
・10倍株、テンバガーへの投資を目指したい方
・一般的なスクリーニングプロセスについて理解を深めたい方
以上の方には、おすすめの記事となっております。
内容的にかなり挑戦的なので、何度かテーマに分けて考察を進めていくこととなります。
以下の参考記事も併せて、確認いただければより一層理解を深めることができると思います。
参考記事:過去10年で10倍株、テンバガーとなった銘柄を調査、共通点を抽出
テンバガーを達成するまでの一般的なプロセス
10倍株に辿り着くプロセスとしては、1. 企業を探す、2. 投資を実行する、3. 10倍になるまで保有し続ける、4. 売却する、という4つのプロセスがあります。
つまり、企業を探してきただけでは終わりではないということが重要なポイントです。
したがって、それぞれについて理解を進めることで、真の10倍株にたどり着けるはずです。
しかし、タダでさえ10倍株候補を探すのだけでも大変なのだから、投資実行、保有、売却までたどり着ける確率はかなり少ないということを理解する必要があります。
今回は、特に10倍株候補を探し当てるまでのスクリーニングの方法論を検討していきます。
テンバガー候補のパターン
過去の事例から、テンバガーとなった株には主に3つのパターンがあることが分かる。ボロ株、テーマ株、成長株です。
ボロ株(低位株)
ボロ株(低位株)は、何か特殊な事情で注目されたケースで株価が急騰することがあり、仕手株となりやすいことや、持続性を考えると安心はできないタイプです。
こちらは、短期的に急騰することがあるので、長期投資を前提としている投資家向けというよりは、短期的なトレーダー向けといえるでしょう。
もちろん、ボロ株(低位株)の中には、真の成長企業へ脱皮を遂げるような企業も中にはあるので、一概には判断が難しいですが、その可能性は低いと考えられます。
テーマ株
テーマ株は、成長株と被る場合もありますが、どちらかというとテーマ性が強い企業銘柄です。
時代に合わせて様々なテーマがあるので、それに合わせた企業群をテーマ株と呼ぶことができます。
例えば、5GやIoT、AIなどは、特定のテーマで現代の時代背景でも高い期待と持たれているテーマであり、このようなテーマで企業活動をしている企業に投資をすることで、高いリターンを得られる可能性があります。
テーマの探索に関しては、楽天証券が提供しているアプリ、iSpeedから、「検索」→「テーマ」でテーマ一覧を閲覧することができます。
テーマを選択すると、テーマに合わせた銘柄を一覧で表示してくれるため、検索する手間も省くことができます。
テーマ株に関しては、見極めが非常に重要です。業績が持続可能なものなのか、テーマというだけで株価が反映されているのではないかと疑いの目を向けなければいけません。
テーマ性の強い株の中には、持続的に成長できるだけのダイヤの原石があるので、こちらもスクリーニングの対象にできるでしょう。
成長株
成長株は、テーマ性が強いものとそうでないものがありますが、長期に渡り着実に成長して規模を拡大しているような会社を指します。
長期投資家を目指す人にとって、この3つのタイプの中での理想は長期的な成長株であると言えるでしょう。私個人的には、成長株を投資対象として、研究を続けていきたいと思っております。
長期的な成長株は10倍どころか、それ以上に、会社が成長をし続ける限り株価も成長するような株であり、安心感が強く、かつ資産の形成も効率的と考えられます。
参考記事:長期投資の銘柄選択術、具体的なやり方を基本戦略を紹介
スクリーニングからテンバガー候補を探す方法
現時点で、スクリーニング方法としての仮説として持っているのは、以下の通りです。
①小型株の方が成長余地が大きいということ。
②企業の成長を図る業績の成長性についての指標
③効率的な経営ができているかの指標となるROEの高さ
④安定したビジネス、耐性の強さの指標となる負債の指標
それぞれをまとめてみると以下の指標がスクリーニングの例として考えられます。
・時価総額100億円以下、もしくは150億円以下
・年平均売上高成長率10% 15% 20%以上
・ROE15%, 20%以上
・有利子負債比率 20%, 30% 以下
この点は自分でスクリーニングをしながら、企業をチェックしていきましょう。
注意点:スクリーニングが漏れる企業群があること
重要なポイントとして注意しなければいけないのが、一時的な利益減少により、ROEの指標が低くなり、スクリーニングから見落とされているケースがあることです。
したがって、指標でのスクリーニングは、いくつもの指標を多数使用して狭めていくというよりも、何度も組み合わせを変えて、企業との出会いの確率を増やすということです。
成長企業では、成長に向けての投資を強くしているため、売上は伸びているが最終利益が赤字となっているケースが多くあり、その場合はROEは低く出てしまうケースがあるので注意が必要です。
最良な方法は、全銘柄をチェックすること
時間があるならば、やはり時価総額でスクリーニングをかけて、1社ずつチェックするのが一番漏れがなくて良いと思っています。
ROEや売上高成長率など、スクリーニング指標を多用すると、どうしても漏れが出てきてしまいます。私も何度も、スクリーニングによって、素晴らしい企業を見落としてしまった経験があります。
スクリーニングのポイントを一つに絞ることで網羅性を担保する方法もおすすめです。
例えば、経年での売上のトレンドのみに的を絞って網羅的にスクリーニングをするなどです。
このようにスクリーニングの指標や軸を絞ることで、一定の網羅性を担保できるため、時間はかかるというデメリットはあるのですが、素晴らしい企業との出会いを取りこぼすということは避けることができます。
費用対効果で考えれば、気になる銘柄全てをチェックすることぐらいは、投資家としてはやっておきたいことです。
例えば、1ヶ月間集中的に銘柄をチェックする時間によって、10年間保有できるような素晴らしい企業に出会うことができ、テンバガーを達成できれば、時間に対する費用対効果は安いと思いませんか?
四季報を活用して、テンバガー候補を探す方法
この方法は、時間に余裕のある人しかできない方法ですが、私自身も試した方法です。
方法としては、四季報を先頭ページからチェックして、興味のある企業をリストアップするという方法です。
約3600社上場企業があり、見開き2ページを15分かかるとして、約900ページを読み終わるまでに112時間かかります。
1日あたり約2時間約32社分チェックするとして、56日、約2ヶ月かかることとなります。
時間はかかりますが、上場企業の数自体に大きな変化はないので、この機会を経れば何となく将来に渡って可能性のある有望株に出会える確率はグンと上がる可能性があると考えています。
四季報でのスクリーニングには勘所が必要
しかしながら、この方法はかなりハードルがあるのも事実、何を持って有望と感じるかについての勘所がない限りスクリーニングができないからです。
私の場合は何となく、ビジネスとして面白そうとか成長性のテーマについて、頭の中に仮説が入っているので、それに見合うような企業に出会うと何となく面白そうと思えるので、スクリーニングは可能でした。。
私が四季報で簡易的に網羅的にスクリーニングする際に、見ていたポイントは、以下の通りです。
1. 特色をチェック
2. 連結事業から売上構成をチェック
3. 業績や最近の動向
4. 企業業績欄から業績の伸びをチェックする
5. 財務と財務指標欄から、有利子負債に対しての現金同等物の差異をチェック
興味を持った場合、詳細にチェックするポイント
1. 株価指標欄から、PER, PBRをチェック
2. 財務と財務指標欄から時価総額を確認
3. 株主構成を確認 (オーナー系か否か、外資持株比率の確認)
ぜひ、一冊手元に持って、参考にして企業分析をしてみてください。
テーマ別にテンバガーを探す方法
テーマ別に探すという方法も手法としては、有効です。こちらの方は、スクリーニングによる漏れが少なく、かつ対象を狭めて、効率的に見つけることができるというメリットがあります。
ただ、テーマとして上がっている株はすでに人気化している可能性が高く、まだ大衆が気づいていない優良株を探すという意味ではデメリットもあることを認識する必要があります。
テーマとしては、以下のようなページが参考になるでしょう。
株探: https://kabutan.jp/info/accessranking/3_2
個人的に面白いなと思っているテーマは、①サイバーセキュリティー、②量子コンピューター、③RPA、④ブロックチェーン、⑤AI、⑥IoT、⑦ビックデータ、⑧ヘルスケアといったところです。
新規性があって、これからマーケットを作っていくようなテーマのポテンシャルは高いと思っています。
私が投資している企業も、RPA、AI関連、IoT関連、ストレージ関連、不動産開発関連、ビックデータ関連と必ずテーマを持つものに対して投資を実行しております。
テーマ投資でおすすめなのは、裏のテーマのある会社への投資
おすすめなのが、裏のテーマのある会社への投資です。表面上は、通常の企業として運営しているが、実はその裏に隠れたテーマ、新規事業への展開可能性があるという会社を指します。
例えば、eBase社は、企業間の情報のやり取りを効率化するために、商品のデータベース化をするサービスを提供しています。
これが確立されてデファクト化すれば、例えば商品開発時などに活用するビックデータとして販売が可能になるなどの、データ化が進んだ後の将来像が見えてくると、勝手に予想しています。
こういった側面は、まだ顕在化していないストーリーなので予測の範囲は超えませんが、このような想像ができるかどうかが、かなり大きな差になってくるのではないかと思っています。
むしろテーマがすでに顕在化しているような企業群はすでに割高となっているケースが往々にしてあり、思ったより成長しない、もしくはマーケットが悪化した際に急落するということが起こり得るので注意が必要です。
したがって、テーマが面白そうだからといって飛びつくのではなく、大衆が気づいていないテーマを密かに進めているような企業群を見つけることが重要となってきます。
身近な発見からテンバガー候補を探す方法
生活の中から見つけるという方法も意外に見落とされていますが、かなり有効な方法であると言えます。
日々生活をしていると、多くのサービスに触れることができます。
日常生活の中で、あるサービスに感動したりした場合には、運営会社はどこか、上場しているかどうかを調べるということを習慣化することをお勧めします。
ポイントとしては、一人の消費者として、何らかの感動を覚えたり、知人や家族にオススメしたい便利なサービスや商品に出会った時に運営会社を調べるということを習慣化するということです。
多くのサービスに対して敏感であれば、初期の段階で10倍株を確保できる可能性は上がります。
具体的な例で言えば、いきなりステーキなどの飲食店に早い段階で気づいて投資をしていれば、かなりのリターンを確保できました。
もちろん、現在のいきなりステーキの株価は底辺なので、長期で成長するかどうかというポイントは重要なのですが。
その他、例えば最近トランクルームが増えたな、と実感ができれば、上場している関連銘柄はないかを調べることができ、トランクルームの管理、運営会社であるパルマにたどり着くことができます。こちらは、私も投資対象とした事例です。
自分自身で実感しなくても友人や家族との話の中で、これは便利とか、感動したという話があれば、ぜひ調べてみましょう。上場していなくても、テーマとして面白いと思えるヒントが日常生活にはゴロゴロ転がっていることがあります。
テンバガー、10倍株候補の探し方、スクリーニングまとめ
10倍株候補として、企業を発見する方法は様々です。いろんな手法を組み合わせ、かつ日常生活でアンテナを張っておくということを通じて、いかに巡り会える確率をあげるかということが成功の鍵となってくるでしょう。
例えば今後テンバガーとなる株は、現時点でも存在しているはずです。
その未知のテンバガー株(A社)に出会うためには、A社に気づく必要があり、A社の魅力に気づく必要があります。
多くの人はもしかしたら、A社にはすでに気づいているが、上場企業として存在していることすら気づいていないか、もしくは上場していても魅力がないと思って見逃している可能性もあります。
出会う確率を上げるということは正直言って難しくはない、四季報を片っ端から読めば必ず出会えるからです。
難しいのは、その魅力に気づけるか、将来性に気付けるか、そして自分を信じて投資というアクションに結びつけることができるか、ということです。
魅力ある優れた企業は何かということに関しては、当ブログで紹介している以下の記事を参考にしていただければと思います。
関連記事:長期投資の銘柄選択術、具体的なやり方を基本戦略を紹介
最後に
個人投資家の方には、SBIネオモバイル証券もオススメです。余っているTポイントを、1株単位で株が買えるので小額で投資も始めることもでき、練習にもなります。
コツコツ投資をしながら、銘柄をフォローするきっかけにもなるかと思いますので、こちらも併せてチェックしてみてください。
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