テンバガー候補となる銘柄のスクリーニング方法
- 2020.06.08
- 株式投資

本記事ではテンバガー(10倍株)を探すスクリーニング方法についてご紹介します。
・10倍株、テンバガーへの投資を目指したい方
・一般的なスクリーニングプロセスについて理解を深めたい方
上記の方には、おすすめの記事となっております。内容的には、かなり濃いものになるので、何度かテーマに分けて考察を進めていきます。
本ブログでは、小型株に特化した銘柄の紹介をメインにしていますが、ブログや本などの独学以外にも、無料から参加ができる『ファイナンシャルアカデミー』


参考:過去10年で10倍株、テンバガーとなった銘柄を調査、共通点を抽出
テンバガーを達成までの一般的なプロセス
テンバガーに辿り着くプロセスとしては、当たり前ですが以下の4つがあります。
1. 企業を探す
2. 投資を実行する
3. 10倍株になるまで保有し続ける
4. 売却する
つまり、企業を探してきただけでは終わりではないということが重要なポイントです。したがって、それぞれのプロセスについて理解を進めることで、テンバガーにたどり着けるはずです。
4つのプロセスがあることが理解できれば、タダでさえテンバガー候補を探すのだけでも大変ですから、投資実行、保有、売却までたどり着ける確率はかなり少ないということを理解する必要があります。
今回は、特に1つ目のプロセスとして、テンバガー候補を探し当てるまでのスクリーニングの方法をご紹介していきます。
テンバガー銘柄のパターン
過去の事例から、テンバガーとなった株には主に3つのパターンがあることが分かります。1.ボロ株、2.テーマ株、3.成長株です。
No.1 ボロ株(低位株)をスクリーニング
ボロ株(低位株)とは、100単元あたりの株価が極めて低い水準にある銘柄を指します。明確な定義はないのですが、具体的には、1,000円以下の株価が低位株と呼ばれることが多いです。
参考:低位株 初めてでもわかりやすい用語集 SMBC日興証券
ボロ株は、何か特殊な事情で注目されたケースで株価が急騰することがあり、仕手株となりやすいことがあります。そのため、持続性や再現性を考えると安心して投資はできないタイプです。
ボロ株・低位株への投資は、短期的に急騰することがあるので、長期投資を前提としている投資家向けというよりは、短期的なトレーダー向けといえるでしょう。
もちろん、ボロ株(低位株)の中には、真の成長企業へ脱皮を遂げるような企業も中にはあるので、一概には判断が難しいですが、その可能性は極めて低いと考えられます。
ボロ株(低位株)として放置されている理由は、マーケットがそのように判断した結果であり、企業の実績を表していることが大半と言えるでしょう。
No.2 テーマ株でスクリーニング
テーマ株には、成長株と被る場合もありますが、どちらかというと時代のトレンドや投資家が好むようなテーマ性が強い企業銘柄を指します。
例えば、最近で話題になっているのは、「5G」、「IoT」、「AI」、「自動運転」などは、特定のテーマで現代の時代背景でも高い期待を持たれているテーマです。
参考記事:テーマ株とは?これから注目されるテーマ株、銘柄は何か。
このようなテーマで企業活動をしている企業に投資をすることで、高いリターンを得られる可能性があります。
テーマのスクリーニングに関しては、SBI証券アプリで、「銘柄検索」→「テーマ」で検索することができます。また、楽天証券が提供しているアプリ、iSpeedからも、「検索」→「テーマ」でテーマ一覧をスクリーニングすることができます。
テーマを選択すると、テーマに合わせた銘柄を一覧で表示してくれるため、検索する手間も省くことができます。
テーマ株に関しては、見極めが非常に重要です。業績が持続可能なものなのか、テーマというだけで株価が反映されているのではないかと疑いの目を向けなければいけません。
テーマ性の強い株の中には、持続的に成長できるだけのダイヤの原石があるので、こちらもスクリーニングの対象にできるでしょう。
No.3 成長株でスクリーニング
成長株は、テーマ性が強いものとそうでないものがありますが、長期に渡り着実に事業が成長して規模を拡大しているような会社を指します。
長期投資家を目指す人にとって、このボロ株、テーマ株、成長株の3つのタイプの中での理想は、長期的な成長株をスクリーニングで見つけて、保有することと言えるでしょう。個人的には、成長株を投資対象として、研究を続けていきたいと思っております。
長期的な成長株はテンバガーどころか、それ以上に、会社が成長をし続ける限り株価も成長するような株であり、安心感が強く、かつ資産の形成も効率的と考えられます。
参考記事①:長期投資の銘柄選択術、具体的なやり方を基本戦略を紹介
参考記事②:【投資本・決定版】株式投資の本質を勉強するため、おすすめ10冊
テンバガー候補を指標でスクリーニング、探す方法
現時点で、スクリーニング方法としての仮説として持っているのは、以下の通りです。
①小型株の方が成長余地が大きいということ。
②企業の成長を図る業績の成長性についての指標
③効率的な経営ができているかの指標となるROEの高さ
④安定したビジネス、耐性の強さの指標となる負債の指標
それぞれをまとめてみると以下の指標がスクリーニングの例として考えられます。
・時価総額100億円以下、もしくは150億円以下
・年平均売上高成長率10% 15% 20%以上
・ROE15%, 20%以上
・有利子負債比率 20%, 30% 以下
この点は自分でスクリーニングをしながら、企業をチェックしていきましょう。細かいスクリーニング方法の詳細については以下をご参考ください。
参考記事:【まとめ】小型、成長株のおすすめスクリーニング方法、実践編
注意点:スクリーニングが漏れるテンバガー候補があること
重要なポイントとして注意しなければいけないのが、一時的な利益減少により、ROEの指標が低くなり、スクリーニングから見落とされているケースがあることです。
したがって、指標でのスクリーニングは、いくつもの指標を多数使用して狭めていくというよりも、何度も組み合わせを変えて、企業との出会いの確率を増やすということです。
成長企業では、成長に向けての投資を強くしているため、売上は伸びているが最終利益が赤字となっているケースが多くあり、その場合はROEは低く出てしまうケースがあるので注意が必要です。
以下の記事では、SBI証券アプリを活用した場合の、おすすめのスクリーニング指標と、スクリーニングする際の組み合わせについて解説しています。
最良な方法は、スクリーニングだけでなく全銘柄チェックすること
時間があるならば、やはり時価総額でスクリーニングをかけて、1社ずつチェックすることが一番漏れがなくて良いと思っています。
ROEや売上高成長率など、スクリーニング指標を多用すると、どうしても漏れが出てきてしまいます。私も何度も、スクリーニングによって、素晴らしい企業を見落としてしまった経験があります。
スクリーニングのポイントを一つに絞ることで網羅性を担保する方法もおすすめです。
例えば、売上のトレンドのみに的を絞って網羅的にスクリーニングをするなどです。
このようにスクリーニングの指標や軸を絞ることで、一定の網羅性を担保できるため、時間はかかるというデメリットはあるのですが、素晴らしい企業との出会いを取りこぼすということは避けることができます。
考えてみれば、上場企業の数自体は、3,600社程度と数自体は限られているので、少しずつ確認をすれば全てを確認することは不可能ではないのです。
費用対効果で考えれば、気になる銘柄全てをチェックすることぐらいは、投資家としてはやっておきたいことです。
1ヶ月間集中的に銘柄をチェックする時間によって、10年間保有できるような素晴らしい企業に出会うことができ、テンバガーを達成できれば、時間に対する費用対効果は安いと思いませんか?
四季報を活用して、テンバガー候補を探す方法
こちらの方法は、時間に余裕のある人しかできない方法ですが、私自身も試した方法です。
方法としては、四季報を先頭ページからチェックして、興味のある企業をリストアップするという方法です。
約3600社上場企業があり、見開き2ページを15分かかるとして、約900ページを読み終わるまでに112時間かかります。
1日あたり約2時間約32社分チェックするとして、56日、約2ヶ月かかることとなります。
時間はかかりますが、上場企業の数自体に大きな変化はないので、この機会を経れば何となく将来に渡って可能性のある有望株に出会える確率はグンと上がる可能性があると考えています。
四季報でのスクリーニングには勘所が必要
しかしながら、この方法はかなりハードルがあるのも事実、何を持って有望と感じるかについての勘所がない限りスクリーニングができないからです。
私の場合は何となく、ビジネスとして面白そうとか成長性のテーマについて、頭の中に仮説が入っているので、それに見合うような企業に出会うと何となく面白そうと思えるので、スクリーニングは可能でした。。
私が四季報で簡易的に網羅的にスクリーニングする際に、見ていたポイントは、以下の通りです。
1. 特色をチェック
2. 連結事業から売上構成をチェック
3. 業績や最近の動向
4. 企業業績欄から業績の伸びをチェックする
5. 財務と財務指標欄から、有利子負債に対しての現金同等物の差異をチェック
興味を持った場合、詳細にチェックするポイント
1. 株価指標欄から、PER, PBRをチェック
2. 財務と財務指標欄から時価総額を確認
3. 株主構成を確認 (オーナー系か否か、外資持株比率の確認)
ぜひ、一冊手元に持って、参考にして企業分析をしてみてください。
参考:株式投資、購入までの調査9つのステップまとめ【完全版】
テーマ別にテンバガーを探す、スクリーニング方法
テーマ別に探すという方法も手法としては、有効です。こちらの方は、スクリーニングによる漏れが少なく、かつ対象を狭めて、効率的に見つけることができるというメリットがあります。
ただ、テーマとして上がっている株はすでに人気化している可能性が高く、まだ大衆が気づいていない優良株を探すという意味ではデメリットもあることを認識する必要があります。
個人的に面白いなと思っているテーマは、①サイバーセキュリティー、②量子コンピューター、③RPA、④ブロックチェーン、⑤AI、⑥IoT、⑦ビックデータ、⑧ヘルスケアといったところです。
参考記事:テーマ株とは?これから注目されるテーマ株、銘柄は何か。
新規性があって、これからマーケットを作っていくようなテーマのポテンシャルは高いと思っています。
個人的に注目している企業も、DX関連、SaaS銘柄、ストレージ関連、不動産関連、ビックデータ関連と何らかの形でテーマを持つものに対して投資を実行しております。
テーマ投資でおすすめなのは、裏のテーマのある会社への投資
テーマ株への投資として良いのは、裏のテーマのある会社への投資です。表面上は、通常の企業として運営しているが、実はその裏に隠れたテーマ、新規事業への展開可能性があるという会社を指します。
例えば、eBase社は、企業間の情報のやり取りを効率化するために、商品のデータベース化をするサービスを提供しています。
例えば、この事業が確立されてデファクト化すれば、商品開発時などに活用するビックデータとして販売が可能になるなどの、データ化が進んだ後の将来像が見えてくると、勝手に妄想をしています。
こういった側面は、まだ顕在化していないストーリーなので予測の範囲は超えませんが、このような想像ができるかどうかが、かなり大きな差になってくるのではないかと思っています。
むしろテーマがすでに顕在化しているような企業群はすでに割高となっているケースが往々にしてあり、思ったより成長しない、もしくはマーケットが悪化した際に急落するということが起こり得るので注意が必要です。
したがって、テーマが面白そうだからといって飛びつくのではなく、大衆が気づいていないテーマを密かに進めているような企業群を見つけることが重要となってきます。
身近な発見からテンバガー候補を探す方法
生活の中から見つけるという方法も意外に見落とされていますが、かなり有効な方法であると言えます。
日々生活をしていると、多くのサービスに触れることができます。
日常生活の中で、あるサービスに感動したりした場合には、運営会社はどこか、上場しているかどうかを調べるということを習慣化することをお勧めします。
ポイントとしては、一人の消費者として、何らかの感動を覚えたり、知人や家族にオススメしたい便利なサービスや商品に出会った時に運営会社を調べるということを習慣化するということです。
多くのサービスに対して敏感であれば、初期の段階で10倍株を確保できる可能性は上がります。
具体的な例で言えば、いきなりステーキなどの飲食店に早い段階で気づいて投資をしていれば、かなりのリターンを確保できました。
もちろん、現在のいきなりステーキの株価は底辺なので、長期で成長するかどうかというポイントは重要なのですが。
その他、例えば最近トランクルームが増えたな、と実感ができれば、上場している関連銘柄はないかを調べることができ、トランクルームの管理、運営会社であるパルマにたどり着くことができます。
自分自身で実感しなくても友人や家族との話の中で、これは便利とか、感動したという話があれば、ぜひ調べてみましょう。上場していなくても、テーマとして面白いと思えるヒントが日常生活にはゴロゴロ転がっていることがあります。
テンバガー、10倍株候補の探し方、スクリーニングまとめ
10倍株候補として、企業を発見する方法は様々です。いろんな手法を組み合わせ、かつ日常生活でアンテナを張っておくということを通じて、いかに巡り会える確率をあげるかということが成功の鍵となってくるでしょう。
例えば今後テンバガーとなる株は、現時点でも存在しているはずです。
その未知のテンバガー株(A社)に出会うためには、A社に気づく必要があり、A社の魅力に気づく必要があります。
多くの人はもしかしたら、A社にはすでに気づいているが、上場企業として存在していることすら気づいていないか、もしくは上場していても魅力がないと思って見逃している可能性もあります。
出会う確率を上げるということは正直言って難しくはない、四季報を片っ端から読めば必ず出会えるからです。
難しいのは、その魅力に気づけるか、将来性に気付けるか、そして自分を信じて投資というアクションに結びつけることができるか、ということです。
魅力ある優れた企業は何かということに関しては、当ブログで紹介している以下の記事を参考にしていただければと思います。
関連記事:長期投資の銘柄選択術、具体的なやり方を基本戦略を紹介
最後に、個別銘柄投資以外の選択肢として、カリスマファンドマネージャー藤野英人が運用する 【ひふみ投信】 もオススメです。足で稼いだ情報で日本全国の中小企業を発掘し、「日本を根っこから元気にする」という熱いミッションを持った投資信託なので、他とは少し違う共感型の投資信託と言えます。本ブログとのコンセプトにも近い、長期投資や本質的な企業価値をベースにした投資信託です。
[…] ブログを定期的に閲覧してくださっている皆さん、こんにちは。アクセス数をみると、10倍株の選定を体系化した記事を定期的に閲覧してもらっている人が多く、参考になっていれば幸いです。 […]
[…] 今回は、前回の記事10倍株、テンバガー候補となる企業のスクリーニング方法、見つけ方に引き続き、過去10年で10倍株になった銘柄にどのような特徴があるかを調査してみました。 […]
[…] 関連記事: 過去10年で10倍株、テンバガーとなった銘柄を調査、共通点を抽出 10倍株、テンバガー候補となる企業のスクリーニング方法、見つけ方2018年 […]