アートスパーク HD(3663)、株価、業績分析、強みと成長可能性

アートスパーク HD(3663)、株価、業績分析、強みと成長可能性

グローバルニッチトップをテーマとした銘柄。アートスパーク HD(3663)の業績、売上高等を分析、考察しています。世界シャアNo.1を誇るプロダクトを持つ優良企業です。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/5/9)

時価総額:237億円

PER(予):23.51

PBR:5.05倍

中小型株に属する水準と言えます。特にPER23倍は、ソフトウェアで成長企業であれば、高くはないでしょう。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:3,835

2017年:3,636

2018年:3,789

2019年:5,381

2020年:6,373

綺麗な右肩上がりで推移しているとは言い難いですが、直近の2年は伸びています。16,17,18はやや停滞気味だったのですが、2019年に大きく成長しており、20年も少し鈍化したものの、成長はしています。売上高には変動がありそうなビジネスモデルかもしれません。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:500

2017年:423

2018年:374

2019年:241

2020年:773

営業利益も同様です。2019年に大きく売上高が伸びているのですが、利益はあまり上がっていません、一方で、2020年に利益率が飛躍的に改善しています。投資から収益を出すフェーズになったのか、単に投資を抑えたのか気になるところです。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:337

2017年:374

2018年:334

2019年:241

2020年:-475

営業利益は上がっているものの、当期利益では大きくマイナスとなっています。一時的な損失を出したのではと考えられます。あくまで数字だけで判断しています。

ROE推移

(単位:%)

2016年:12.1

2017年:11.8

2018年:9.6

2019年:5.3

2020年:-

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:393

2017年:293

2018年:68

2019年:-

2020年:-

ここ数年で財務体質はかなり改善しており、問題なさそうです。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:2,071

2017年:2,407

2018年:2,612

2019年:1,880

2020年:2,895

こちらも、同様にキャッシュには余裕があります。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:1,435

2017年:1,021

2018年:1,007

2019年:988

2020年:1,820

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-551

2017年:-577

2018年:-550

2019年:-2,425

2020年:-778

2019年に大きく投資していることが、分かります。経常的には、約5〜7億円の投資規模です。

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-58

2017年:-108

2018年:-250

2019年:728

2020年:-46

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:883

2017年:440

2018年:456

2019年:-1,436

2020年:1,042

2019年の大型投資の時期を除けば、フリーキャッシュフローは積み上がっています。

事業内容

アートスパークホールディングス株式会社は自動車業界を中心にデジタルメーターやカーナビ画面に用いられるグラフィックスを開発するシステムツールを提供している会社です。主な事業内容として、UI/UX事業とクリエイターサポート事業の2つを提供しています。それでは2つの事業をそれぞれ見ていきましょう。

UI/UX事業

主に自動車業界で採用されているHMI作成ツール「CGI Studio」およびの基盤であるHMIを開発するためのツール「UI Conductor」を開発しています。

HMIとは

そもそもHMIとはHuman Machine Interfaceの略で、人間と機械との間で情報をやりとりするためのソフトウェアの総称です。

例えば、

①人間がスイッチを押す→②画面に情報が映しだされる

このように人間が何かしらのアクション(スイッチを押すなど)で機械に指示を与え、機械が何かしらの方法(画面に表示など)で人間に伝える、この一連の流れを行う機器や装置のことを指します。

CGI Studio

自動車業界を中心にあらゆる分野のHMI作成ツールです。主にデジタルメーターなどのディスプレイに映るアプリケーションシステム開発が可能です。

特徴として次の項目が挙げられます。

・カスタマイズ可能な2D/3DのHMIを作成可能

・アニメーションなど多種多様な表現が可能

・簡単な操作で作成でき、直感的な作業が可能

exbeans UI Conductor

組み込み式などのHMI開発ツールです。お客様が求める要望をいつでも組み込み可能なため、開発後半で出てきた要望に対しても柔軟に対応可能できます。また、作成したグラフィックデザインをそのまま取り入れることが可能なため、イメージ通りのHMI作成ができます。

クリエイターサポート事業

マンガ、アニメを制作するためのソフトウェア「CLIP STUDIO PAINT」の開発、提供を行なっています。

CLIP STUDIO PAINT

グラフィックソフトとしては売上No.1を獲得しています。アニメーションやデザインスクールでの採用率も高く、幅広い分野で利用されています。主な機能は次の項目が挙げられます。

・線の描きやすさ、なめらかさが優れており、筆圧によって異なる描き心地が可能

・線一つにも多様なカスタマイズが選択でき、イメージにより近い作成が可能

・描いた後に修正や追加効果を足すことができ、繰り返しの修正でも画質が落ちない

考察

  • Clip Studio Paintが成長のコアとなっていて、グローバル展開ができている非常に珍しい企業
  • UI/UX事業は自動車業界が相手なので、市場の動向を影響を受ける可能性があるので、注視が必要
  • 売上高63億円のうち、48億円が、クリエイターズサポート事業(Clip Studio関連)

以上から分かるように、アートスパークHDは、CLIP STUDIOの成長が非常に魅力的な企業と言えます。アニメ大国の日本だからこそ、世界に通用する技術力の高いツールの提供ができるのでしょう。ここはニッチな市場で、グローバルに戦える製品を持っている企業と言えるでしょう。

テンバガー候補の一つ、ニッチグローバルトップを目指せる企業とも言えるでしょう。

※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。