キューブシステム(2335)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性
- 2021.02.22
- 株式投資
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システム関連の会社で、DXや金融システムがテーマの銘柄です。業績が順調に成長しているということで、キューブシステム(2335)をピックアップしました。業績、売上高、株価等を分析、考察しています。
まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。
株価関連情報
(調査日時:2021/1/7)
時価総額:188億円
PER(予):23.96倍
PBR:2.8倍
時価総額は、200億円以下という水準ですが、PERは24倍と少し高めな水準です。現状の株式市場全体は、高騰しているのでその恩恵を受けているのでしょう。システム各社は、DXというテーマ性もあるため、各社ともに株価は上昇しています。
株価チャート(10年)
2021年末に大きく株価が上昇しています。緩やかに右肩上がりといった感じです。
株価チャート(5年)
株価は横ばい、500円〜1,500円で動いている感じです。大体は1,000円をキープ。
株価チャート(1年)
地合いの悪さもあって、緩やかに右肩下がりが続いている。
売上高推移
(単位:百万円)
2016年:12,622
2017年:12,899
2018年:13,559
2019年:14,325
2020年:14,708
2013年から売上はずっと右肩上がりです。成長率こそ、1桁台ですが、ずっと売上高を伸ばし続けているところは素晴らしいことと言えるでしょう。売上マイナス成長は、2012年です。
ここ数年は、常にニーズ根強いニーズがある分野でサービス展開をしていると言えるでしょう。
営業利益推移
(単位:百万円)
2016年:949
2017年:781
2018年:855
2019年:921
2020年:959
2017年に大きくマイナス成長していますが、直近は伸びています。多少のブレはあるものの、利益も安定して出し続けることができる業態と言えるでしょう。リーマンショックのあった年でも6億円の営業利益があります。景気の悪化をあまり受けにくいクライアント向けに提供している可能性があります。
当期利益推移
(単位:百万円)
2016年:628
2017年:551
2018年:567
2019年:596
2020年:525
当期利益は、横ばいという感じです。5億円前後を継続して出し続けています。売上は伸びているのですが、利益はなかなか伸びない構造になっているのか、投資を継続的にしているのか、調べる必要がありそうです。
ROE推移
(単位:%)
2016年:13.3
2017年:11.3
2018年:11.0
2019年:11.1
2020年:9.3
ROEの水準は、10%台と横ばいです。直近も改善されているというわけではなく、良い意味で安定して推移しています。
有利子負債推移
(単位:百万円)
2016年:240
2017年:240
2018年:240
2019年:240
2020年:240
短期借入金が、少しだけある程度です。付き合い程度に借り入れしている感じかもしれません。
現金等推移
(単位:百万円)
2016年:2,407
2017年:2,822
2018年:2,845
2019年:3,130
2020年:3,557
現金は、2016年から2020年まで右肩上がりで増え続けています。24億円から35億円まで、借り入れとかではなく純粋に利益の積み上げで増えていると思われるので、キャッシュリッチな会社と言えるでしょう。
キャッシュフロー推移
営業活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:527
2017年:936
2018年:388
2019年:773
2020年:747
営業キャッシュフローも、プラスで推移しているので、安定的なキャッシュフローと言えるでしょう。2017年、18年はブレはあるものの平準化すれば、約6億前後なので、水準としては6〜7億円というところでしょうか。
投資活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:33
2017年:94
2018年:28
2019年:46
2020年:25
ほぼ、投資が不要なビジネスと言えるでしょう。営業キャッシュフローが安定的にプラスで、投資がほとんど必要ないので、最近の現金の伸びはここに原因があります。
財務活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:-241
2017年:-610
2018年:-392
2019年:-531
2020年:-339
財務活動によるキャッシュフローは、主に配当による支払いということです。
フリーキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:560
2017年:1,031
2018年:417
2019年:820
2020年:773
前述の通り、フリーキャッシュフローがプラスで安定的に推移しています。16〜20年にかけて、ここの水準が一段階上がった感じがしています。2012〜15年は1億円程度のフリーキャッシュフローのプラスだったものが、かなり改善されています。
事業内容
株式会社キューブシステムは企業向けに情報システムの構築を行うITサービスを提供しています。
「情報システムの力で、より豊かで便利な社会を。」と大きく書かれているように、企業や個人向けにより便利で使いやすいシステム開発を目指していることがわかります。株式会社キューブシステムのH.Pはこちらです。
主なサービス事業として、システムインテグレーションサービス・システムアウトソーシングサービス・プロフェッショナルサービスがあります。サービス事業の情報はこちらに詳細があります。
では、3つのサービスを見ていきましょう。
システムインテグレーションサービス
システムインテグレーションサービスとは、既存の社内システムでは満足に情報整理ができない顧客に対し、使いやすく顧客の求める便利さに寄り添ったシステム開発を行うサービスです。
特徴として、
・システム開発標準の枠となる「F@SE」と呼ばれるアプリケーションを使用。作業のミスをプロセスで発見し、効率の良いシステム開発を実現。
・豊富な知識と経験から低コストで品質の高いシステム開発が可能。
導入例:AI顔認証入場管理システム構築
イベント等で発生する入場時の入場者を顔認証で管理するシステムです。事前に顔写真とメールアドレス、ニックネームのみで入場時にメッセージが届きます。住所や電話番号等の個人情報は必要ないため、必要最低限の個人情報のみで手続き可能です。
システムアウトソーシングサービス
システムアウトソーシングサービスとは、開発したシステムをお客様が導入する際のサポートを行うシステムです。また運用していく中で発生する問題に対してのサポートやもっとこうした方がいいといった提案を行い、システムの向上を図ります。
特徴として、
・変化するビジネス環境でシステムも一緒に変化に対応する更新を続ける
・「エンハンス業革活動」といわれるお客様の業務に対してPDCAサイクルを回し業務効率向上の手助けも行なっている
導入例:製造メーカー向け販売管理システム構築
製造メーカーで既存に使われている販売管理システムは長い期間同じシステムで管理しれています。しかし、時代とともに既存システムだけでは管理できない項目が出てきます。そのためシステムの再構築が必要となります。このように既存システムをグレードアップさせるような開発を行い、メーカーにより必要なシステムをアップロードさせることが可能です。
プロフェッショナルサービス
プロフェッショナルサービスとは、システム開発から運用、保守といった情報システムサイクルを一貫してサポートするサービスです。確かな技術力で情報システムの全てを支えます。
特徴として、
・日程、コスト、問題点といったプロジェクトで発生する課題を一括管理し、プロジェクトをどう進めるたら効率が良いかのアドバイスを行う
・「PMO」と呼ばれるシステム運用におけるマネジメントにより、より客観的目線でプロジェクト管理を行うことが可能
導入例:証券取引システム構築
金融系の情報管理システムは他のシステムと比べ、安全性と信頼性がより一層求まられます。そのため、単なる情報管理システムといっても、数十種類のシステムを取り扱うため、複数の企業に情報システムの開発を依頼します。その際、企業間での情報コミュニケーション不足とならないよう、率先して開発や運営指示を各企業に展開し、まとめることを行います。これは企業間での理解があってこそ可能なプロジェクトの進め方でもあります。
今後と考察
気になるポイントは以下箇条書きにまとめております。
- 企業のDX化の推進による成長領域
- 特定取引先への依存度の高さ
- 今後の成長戦略の実現可能性について
一つ目のポイントとして、当社の強みであるシステムインテグレーション領域におけるマーケットのニーズは今後も継続的にニーズは安定して推移することが予想されます。領域としては、金融、流通、通信・運輸業といった日々生活する上では必須となる領域でのサービス提供をしている点は魅力的でしょう。
特に、流通、運輸系の領域に関しては、EC領域の浸透によってますます成長が期待される領域です。金融領域においても、フィンテックの浸透によって、どこの企業も変革が求められており、DXの推進は急務となっていることも時代背景としては魅力的な領域です。
一方で、当社のビジネスモデルとしては、特定の取引先に依存しているところは気になる点ではあります。直近では、NRI(野村総合研究所)、富士通グループへの依存度が非常に高いです。NRIの動向には注視が必要となってきます。
また、当社の関わっている領域としては、システム開発のプロセスによって事業領域が異なってきます。プロフェッショナルサービスは、企画から一貫して関わる携帯ですが、当社のコアビジネスは、システムインテグレーションです。今後の成長戦略としては、デジタルビジネスとして、新たなビジネスモデルの構築を推進しようとしていますが、現ビジネスモデルからの事業モデルの多角化が実現できるのか、という点はとても難易度が高くチャレンジングであるとも言えるでしょう。ただ、SIビジネスとして掲げている、既存のプロセスの変革、具体的にはサービスのクラウド化など、消費者のニーズに合う既存ビジネスの変革のニーズは高まっているので、ここを起点とした新たなビジネスが創出できれば面白いと考えられます。
財務内容は、申し分ないのと、安定して利益が出るモデルは出来上がっているので、今後の成長戦略の実現可能性について定期的にウォッチしていくことが必要でしょう。
テンバガー可能性
「B」
※「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5段階で勝手に評価した場合です。
参考記事:【まとめ】小型、成長株のおすすめスクリーニング方法、実践編
※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。
効率的に株式投資を学ぶ方法
個別の銘柄を細かく全てチェックする時間がない方には、いくつか効率的に勉強する方法があります。
方法①:著名な投資家の本を読むことで投資の本質を学ぶ
王道ですが、株式投資の本質を理解しておくことで、闇雲に銘柄をチェックする手間が省けます。
初心者の方は、早い段階で本質的な考え方や思考方法をウォーレンバフェットをはじめとした著名投資家の本を読み、インプットしておくことが長期で役に立つものだと信じています。
参考記事:【投資本・決定版】株式投資の本質を勉強するため、おすすめ10冊
方法②:無料のセミナーに参加して、学習すべきポイントだけをつかむ
無料提供という範囲の中で、とりあえず学習するべきポイントだけを抑えてしまうという方法です。
投資やお金に関する基礎を身につけることは、年齢の若い早いタイミングで身につけておくべき長期で役立つ教養となります。
関連サイト:
・株式投資を学ぶならファイナンシャルアカデミー
【公式】https://www.f-academy.jp/

・投資の達人になる投資講座
【公式】https://toushi-up.com/

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【公式】https://www.abcash.co.jp/

方法③:SBI証券アプリのスクリーニングでとにかく絞り込む
さまざまな指標を組み合わせてスクリーニングすることで、効率的に個別の銘柄に巡り会うという方法です。
3,600以上ある銘柄も上手なスクリーニングの方法で、素晴らしい銘柄と巡り会うことができます。