キューブシステム(2335)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性

キューブシステム(2335)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性

システム関連の会社で、DXや金融システムがテーマの銘柄です。業績が順調に成長しているということで、キューブシステム(2335)をピックアップしました。業績、売上高、株価等を分析、考察しています。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/1/7)

時価総額:188億円

PER(予):23.96倍

PBR:2.8倍

時価総額は、200億円以下という水準ですが、PERは24倍と少し高めな水準です。現状の株式市場全体は、高騰しているのでその恩恵を受けているのでしょう。システム各社は、DXというテーマ性もあるため、各社ともに株価は上昇しています。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:12,622

2017年:12,899

2018年:13,559

2019年:14,325

2020年:14,708

2013年から売上はずっと右肩上がりです。成長率こそ、1桁台ですが、ずっと売上高を伸ばし続けているところは素晴らしいことと言えるでしょう。売上マイナス成長は、2012年です。

ここ数年は、常にニーズ根強いニーズがある分野でサービス展開をしていると言えるでしょう。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:949

2017年:781

2018年:855

2019年:921

2020年:959

2017年に大きくマイナス成長していますが、直近は伸びています。多少のブレはあるものの、利益も安定して出し続けることができる業態と言えるでしょう。リーマンショックのあった年でも6億円の営業利益があります。景気の悪化をあまり受けにくいクライアント向けに提供している可能性があります。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:628

2017年:551

2018年:567

2019年:596

2020年:525

当期利益は、横ばいという感じです。5億円前後を継続して出し続けています。売上は伸びているのですが、利益はなかなか伸びない構造になっているのか、投資を継続的にしているのか、調べる必要がありそうです。

ROE推移

(単位:%)

2016年:13.3

2017年:11.3

2018年:11.0

2019年:11.1

2020年:9.3

ROEの水準は、10%台と横ばいです。直近も改善されているというわけではなく、良い意味で安定して推移しています。

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:240

2017年:240

2018年:240

2019年:240

2020年:240

短期借入金が、少しだけある程度です。付き合い程度に借り入れしている感じかもしれません。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:2,407

2017年:2,822

2018年:2,845

2019年:3,130

2020年:3,557

現金は、2016年から2020年まで右肩上がりで増え続けています。24億円から35億円まで、借り入れとかではなく純粋に利益の積み上げで増えていると思われるので、キャッシュリッチな会社と言えるでしょう。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:527

2017年:936

2018年:388

2019年:773

2020年:747

営業キャッシュフローも、プラスで推移しているので、安定的なキャッシュフローと言えるでしょう。2017年、18年はブレはあるものの平準化すれば、約6億前後なので、水準としては6〜7億円というところでしょうか。

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:33

2017年:94

2018年:28

2019年:46

2020年:25

ほぼ、投資が不要なビジネスと言えるでしょう。営業キャッシュフローが安定的にプラスで、投資がほとんど必要ないので、最近の現金の伸びはここに原因があります。

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-241

2017年:-610

2018年:-392

2019年:-531

2020年:-339

財務活動によるキャッシュフローは、主に配当による支払いということです。

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:560

2017年:1,031

2018年:417

2019年:820

2020年:773

前述の通り、フリーキャッシュフローがプラスで安定的に推移しています。16〜20年にかけて、ここの水準が一段階上がった感じがしています。2012〜15年は1億円程度のフリーキャッシュフローのプラスだったものが、かなり改善されています。

事業内容

株式会社キューブシステムは企業向けに情報システムの構築を行うITサービスを提供しています。

「情報システムの力で、より豊かで便利な社会を。」と大きく書かれているように、企業や個人向けにより便利で使いやすいシステム開発を目指していることがわかります。株式会社キューブシステムのH.Pはこちらです。

主なサービス事業として、システムインテグレーションサービス・システムアウトソーシングサービス・プロフェッショナルサービスがあります。サービス事業の情報はこちらに詳細があります。

では、3つのサービスを見ていきましょう。

システムインテグレーションサービス

システムインテグレーションサービスとは、既存の社内システムでは満足に情報整理ができない顧客に対し、使いやすく顧客の求める便利さに寄り添ったシステム開発を行うサービスです。

特徴として、

・システム開発標準の枠となる「F@SE」と呼ばれるアプリケーションを使用。作業のミスをプロセスで発見し、効率の良いシステム開発を実現。

・豊富な知識と経験から低コストで品質の高いシステム開発が可能。

導入例:AI顔認証入場管理システム構築

イベント等で発生する入場時の入場者を顔認証で管理するシステムです。事前に顔写真とメールアドレス、ニックネームのみで入場時にメッセージが届きます。住所や電話番号等の個人情報は必要ないため、必要最低限の個人情報のみで手続き可能です。

システムアウトソーシングサービス

システムアウトソーシングサービスとは、開発したシステムをお客様が導入する際のサポートを行うシステムです。また運用していく中で発生する問題に対してのサポートやもっとこうした方がいいといった提案を行い、システムの向上を図ります。

特徴として、

・変化するビジネス環境でシステムも一緒に変化に対応する更新を続ける

・「エンハンス業革活動」といわれるお客様の業務に対してPDCAサイクルを回し業務効率向上の手助けも行なっている

導入例:製造メーカー向け販売管理システム構築

製造メーカーで既存に使われている販売管理システムは長い期間同じシステムで管理しれています。しかし、時代とともに既存システムだけでは管理できない項目が出てきます。そのためシステムの再構築が必要となります。このように既存システムをグレードアップさせるような開発を行い、メーカーにより必要なシステムをアップロードさせることが可能です。

プロフェッショナルサービス

プロフェッショナルサービスとは、システム開発から運用、保守といった情報システムサイクルを一貫してサポートするサービスです。確かな技術力で情報システムの全てを支えます。

特徴として、

・日程、コスト、問題点といったプロジェクトで発生する課題を一括管理し、プロジェクトをどう進めるたら効率が良いかのアドバイスを行う

・「PMO」と呼ばれるシステム運用におけるマネジメントにより、より客観的目線でプロジェクト管理を行うことが可能

導入例:証券取引システム構築

金融系の情報管理システムは他のシステムと比べ、安全性と信頼性がより一層求まられます。そのため、単なる情報管理システムといっても、数十種類のシステムを取り扱うため、複数の企業に情報システムの開発を依頼します。その際、企業間での情報コミュニケーション不足とならないよう、率先して開発や運営指示を各企業に展開し、まとめることを行います。これは企業間での理解があってこそ可能なプロジェクトの進め方でもあります。

今後と考察

気になるポイントは以下箇条書きにまとめております。

  • 企業のDX化の推進による成長領域
  • 特定取引先への依存度の高さ
  • 今後の成長戦略の実現可能性について

一つ目のポイントとして、当社の強みであるシステムインテグレーション領域におけるマーケットのニーズは今後も継続的にニーズは安定して推移することが予想されます。領域としては、金融、流通、通信・運輸業といった日々生活する上では必須となる領域でのサービス提供をしている点は魅力的でしょう。

特に、流通、運輸系の領域に関しては、EC領域の浸透によってますます成長が期待される領域です。金融領域においても、フィンテックの浸透によって、どこの企業も変革が求められており、DXの推進は急務となっていることも時代背景としては魅力的な領域です。

一方で、当社のビジネスモデルとしては、特定の取引先に依存しているところは気になる点ではあります。直近では、NRI(野村総合研究所)、富士通グループへの依存度が非常に高いです。NRIの動向には注視が必要となってきます。

また、当社の関わっている領域としては、システム開発のプロセスによって事業領域が異なってきます。プロフェッショナルサービスは、企画から一貫して関わる携帯ですが、当社のコアビジネスは、システムインテグレーションです。今後の成長戦略としては、デジタルビジネスとして、新たなビジネスモデルの構築を推進しようとしていますが、現ビジネスモデルからの事業モデルの多角化が実現できるのか、という点はとても難易度が高くチャレンジングであるとも言えるでしょう。ただ、SIビジネスとして掲げている、既存のプロセスの変革、具体的にはサービスのクラウド化など、消費者のニーズに合う既存ビジネスの変革のニーズは高まっているので、ここを起点とした新たなビジネスが創出できれば面白いと考えられます。

財務内容は、申し分ないのと、安定して利益が出るモデルは出来上がっているので、今後の成長戦略の実現可能性について定期的にウォッチしていくことが必要でしょう。

テンバガー可能性

「B」

※「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5段階で勝手に評価した場合です。

参考記事:【まとめ】小型、成長株のおすすめスクリーニング方法、実践編

※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。

最後に個別株投資の基礎を学ぶことは、将来の資産形成や財務の知識を高めるために非常に重要です。以下では、お金をかけずに効率的に学ぶことができる3つの簡単な方法をご紹介いたします。

方法①:無料の勉強会・セミナーに参加して体系的に基本を学ぶ

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方法②:SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用する

SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用して銘柄を見る習慣をつけることも効果的です。


SBI証券[旧イー・トレード証券]

スクリーニング機能を使うと、さまざまな指標を組み合わせて効率的に銘柄を見つけることができます。

SBI証券では3,600以上の銘柄が取り扱われていますが、スクリーニングを上手に活用することで、素晴らしい銘柄に出会うことができます。

関連記事:SBI証券のスクリーニング指標一覧、機能の使い方

関連記事:小型株・成長株、銘柄一覧まとめ【日本の有望銘柄80社をブログで紹介】

方法③:著名な投資家の本を読む

以下の関連記事で、個人的に読むべき10冊をまとめています。

関連記事:株式投資の本質を勉強するためのおすすめ書籍10冊

著名な投資家の本を読むことは、投資における知識と洞察を深めるために重要です。これらの本は、成功した投資家の経験と教訓に基づいて書かれており、貴重な情報を提供してくれます。
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