シグマ光機(7713)事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性
- 2019.03.01
- 株式投資

小型成長株ということで今回は、あまり人気ではなさそうなニッチな銘柄、シグマ光機(7713)をリサーチします。
過去3年の売上と利益の伸び率が高いこと、時価総額が100億以下で、財務体制が良好ということでピックアップしました。
過去の10倍株達成銘柄でも、グローバルニッチトップのメーカーであることもあり、当社はそれに該当する可能性があるのかという点でも興味を持っています。
関連記事:過去10年で10倍株、テンバガーとなった銘柄を調査、共通点を抽出
当社は、光ソリューションカンパニーと自社の表しています。
その名の通り、光を用いて、物質を加工、計測、観察するなど技術は今では欠かせない存在となっている模様です。
まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。
株価関連情報
(調査日時:2021/2/1)
時価総額:101億円
PER(予):14.27倍
PBR:0.72倍
(追記日時:2021/11)
時価総額:137億円
PER(予):15倍
PBR:0.9倍
調査時より、30%ほど株価は上昇しております。それでもPBRは1倍を切っています。
売上高推移
(単位:百万円)
2016年:7,466
2017年:7,846
2018年:8,956
2019年:9,047
2020年:8,493
2021年:8,765
大きく成長しているというわけではなく、ここ最近は横ばいといった感じです。
営業利益推移
(単位:百万円)
2016年:790
2017年:912
2018年:1,433
2019年:1,123
2020年:711
2021年:983
営業利益は若干減収傾向にあります。利益率は11%程度です。
当期利益推移
(単位:百万円)
2016年:596
2017年:746
2018年:1,005
2019年:828
2020年:595
2021年:822
若干のブレはありますが、安定して利益を出し続けている点は魅力的です。
ROE推移
(単位:%)
2016年:5.1
2017年:6.1
2018年:8.2
2019年:6.5
2020年:4.6
2021年:5.9
有利子負債推移
(単位:百万円)
2016年:249
2017年:367
2018年:454
2019年:296
2020年:724
2021年:644
現金等推移
(単位:百万円)
2016年:2,650
2017年:2,799
2018年:2,859
2019年:2,516
2020年:3,449
2021年:3,247
現金は潤沢にあるので、成長に向けた投資はできるでしょう。
キャッシュフロー推移
営業活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:995
2017年:826
2018年:986
2019年:869
2020年:1,144
2021年:1,577
2021年は大きく飛躍しています。
投資活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:-467
2017年:-536
2018年:63
2019年:-825
2020年:-297
2021年:-1,486
営業キャッシュフローの伸びに合わせて2021年に大きく投資額を増やしています。
財務活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:-396
2017年:-122
2018年:-941
2019年:-420
2020年:142
2021年:-370
フリーキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:527
2017年:290
2018年:1,049
2019年:44
2020年:846
2021年:91
直近3年に関しては、フリーキャッシュフローが伸びていないので、生み出した利益を投資に回していると考えられます。
シグマ光機の事業内容・ビジネスモデル
※以下は、2019年に調査した内容となります。適宜追記してきます。
事業構成は、要素部品事業とシステム製品事業に分かれています。
要素部品事業は以下のプロダクトがあります。個人投資家からするとどのような製品か想像がつきにくいですが、WEB上で製品イメージを持っておくと良いでしょう。
・光学基本機器製品
レーザ光技術の研究・開発及び生産ラインで使用されるメカニカルパーツです。
ベース、手動ステージ、ホルダー、光源、アクチュエーター他 引用:製品案内より
・自動応用製品
装置の自動化や検査・計測をバックアップする自動位置決めステージ及び制御用のコントローラ、ソフトなどです。
高剛性・精密型自動ステージ、シグマファイン(ピエゾ)ステージ、コントローラ、ソフトウエア他
引用:製品案内より
・光学素子・薄膜製品
レーザ光技術の研究開発における高精度な光学研磨品及び薄膜製品です。
これまで培った技術と実績、そして最新設備を備え様々な仕様にお応えします。
ミラー、ビームスプリッター、偏光素子、レンズ、MEオプティクス、フィルター、プリズム、基板/窓 他
引用:製品案内より
・システム製品事業は、光学システム製品
レーザ加工機周辺やバイオ関連製品、観察・計測・検査などがあります。
対面業界は、エレクトロニクス、ライフサイエンス、航空宇宙が主に該当します。
決算資料をみれば具体的にどのような製品をそれぞれの業界で提供しているのかが理解できます。
・官公庁・研究機関
・スマートフォン関連
・車・センシング
・防衛・航空宇宙関連
・メディカルフォトニクス
・通信関連
・国家プロジェクト
これだけ見ても、かなり技術力の高さが要求されるプロジェクトへ参画していることが理解できます。
強み・注目点
・プロダクトの機能向上、小型化によって微細化等によって光技術のニーズが増している。
・当社は創業依頼、光産業に特化している。グローバルニッチトップメーカーを目指せるのではないか。
・商品企画から量産体制まで一貫して提案できるワンストップサービスを保有している
・高い技術力(官公庁や大学研究機関向けに製品提供)
・高い利益率(売上高当期利益率、約11%)
・株価が割安で人気がない点
懸念点
・フラットパネルディスプレイ業界、半導体・電子部品業界がターゲットで、設備投資の計画は、景気の変動に影響を受け易い。
・2008年の景気後退局面に業績は悪化している。不況に対する耐性はそこまで強くなさそう。(ただ、リーマンショックでも赤字には陥ってはいない。)
・大学機関や官公庁の研究予算費用によって売上が影響を受ける。
株価水準
2019年2月時点
時価総額:約110億円
PER(会社予想)約9.6倍
シグマ光機、分析コメント
約13%近く当社の株を保有している筆頭株主に浜松ホトニクス、この会社も実はかなりすごい会社です。
時価総額6,500億円で、過去の業績推移を見ればわかるのですが、増収増益を続けています。
さて、シグマ光機に関しては、過去の業績と財務体制からもかなり良い会社だと思われます。
高い利益率と安定した売上、収益の推移は、高い技術力に裏打ちされているのでしょう。
当社にしかできない技術、製品力があるからこそ、差別化ができ安定成長できているのではないでしょうか。
将来的に、より製品の高度化や微細化が進展することが予想されるので、光技術はこの分野に欠かせなくなってくるのではないかと考えると、今後もニーズは続くと考えられます。
ただ、技術的な要素を理解することは専門家でないため難しいので、その点判断が難しいのがこの銘柄が注目を浴びていない一つの理由でもあるのでしょう。
IRの活動の一貫として、より分かりやすく何をやっているのか、技術面で何が優れているのかを開示していけば、より一層注目は集まるかもしれません。
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※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。
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