東海ソフト(4430)、強み、業績分析、成長可能性

東海ソフト(4430)、強み、業績分析、成長可能性

今回は、ソフトウェア会社で、2019年上場と比較的新しい企業である、東海ソフト(4430)の業績、売上高等を分析、考察しています。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/1/22)

時価総額:59億円

PER(予):15.2倍

PBR:1.66倍

時価総額は、59億円と100億円以下の割安な水準です。システム会社であるので、PER、PBRも情報通信系のサービスでは、平均的、成長株というと低い水準かと思います。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:5,407

2017年:5,450

2018年:5,790

2019年:6,306

2020年:6,730

売上高は順調に右肩上がりで推移しています。成長率でみると、CAGRが4年間で、5.6%程度はそこまで高くはありません。成長率は、ここ数年も横ばいという感じです。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:-

2017年:218

2018年:309

2019年:452

2020年:509

営業利益は右肩上がりで成長しています。成長率は、売上高と違い高い水準で成長しています。売上高の成長率よりも営業利益の成長率が高いということは、効率的に稼ぐ仕組みやコスト削減ができているのかもしれません。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:234

2017年:156

2018年:221

2019年:272

2020年:377

当期利益に関しては、2017年の落ち込みはあったものの、2018年以降は順調に推移しています。

ROE推移

(単位:%)

2016年:-

2017年:11.7

2018年:14.4

2019年:9.7

2020年:10.8

ROEハ10%以上と比較的良い水準です。

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:-

2017年:-

2018年:-

2019年:274

2020年:166

有利子負債は、ほとんどない水準といっても良いでしょう。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:913

2017年:564

2018年:1,044

2019年:2,288

2020年:2,237

現金は豊富にあります。特に2017年以降、順調に積み上げています。現在の水準は、22億円です。2017年の利益の落ち込みから2018年に飛躍が見られるので、投資によって企業の体質が変化した可能性があります。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-

2017年:-139

2018年:392

2019年:371

2020年:427

2017年のマイナス以外は、2018年以降はプラスで推移しています。

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-

2017年:-45

2018年:62

2019年:-53

2020年:-663

2017年〜19年は、1億円以下で推移していたのですが、2020年に、大型の投資を実行している模様です。ここは気になるポイント

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-

2017年:-164

2018年:24

2019年:925

2020年:185

2019年に大型の調達をしている可能性があり、2020年の投資キャッシュフローのマイナスは流れとして理解ができます。

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-

2017年:-185

2018年:455

2019年:318

2020年:-236

フリーキャッシュフローは、2020年の投資キャッシュフローのマイナスによってマイナスとなっています。常にフリーキャッシュフローがポジティブという安定した状態というより、フェーズとしては投資フェーズということがわかります。

事業内容

会社HPの業務内容というページに、一覧で行っていることが書かれていて参考になりそうです。業務の分類としては、「産業・FA」「ソリューション」「エンベデット」の3つになりそうです。

システム会社らしく、最先端のテーマなどを扱っています。

・AIシステム開発
・IoT、M2Mソリューション
・画像処理
・MES基幹系システム開発
・制御、計測、監視、物流
・生産管理システム
・モバイルソリューション
・民生向け組み込み開発
・開発手法
・組み込みプラットフォーム

技術系のバックグラウンドを持っていないと、ここら辺のテーマはなかなか理解が難しそうです。それぞれのページをみると、製造業における生産現場におけるシステム開発が多い印象です。

IoT、M2Mソリューションは、自社製品を持っている模様で、生産現場における、稼働状況のモニタリングシステム、Flex signal、デバイスデータをクラウドで一括管理するFlex Deviceです。

個人投資家向けの要約

個人投資家向けに要約ページがIRにありました。企業としても個人投資家が理解が難しいことを理解してまとめてくれているのでしょう。

ビジネス上のセグメントは、3つと書かれています。①組み込み関連事業、②製造、流通及び業務システム関連事業、③金融・公共事業

それぞれの事業についての説明があるのですが、それでも専門用語が散りばめられてあり、投資家フレンドリーとはなかなか言いづらいですね。

組み込み関連事業

簡潔にいくと、①組み込み関連事業は、自動車を中心としたECU(エンジン・コントロール・ユニット)の開発、受託を行っている模様です。例えば自動車には、さまざまな動力があります。エアバックや照明、ドア、ナビゲーション等、それらのシステムはコントロールされる必要があり、その制御システムがECUということだと個人的には理解しています。

DENSOのページにそもそもECUとは何かの具体的な説明があるので、こちら参照すると良いでしょう。

参考:ECUとは

製造、流通及び業務システム関連事業

製造・流通システム開発と、業務システム関連開発に分かれています。前者は、生産工程における様々なシステムを制御するソフトウェアの開発です。車載組み込みと同様、ECUのように制御システムに当社は強みがあるような気がします。

業務システム関連開発は、業務上必要な様々なシステムを開発しています。例えば、生産管理、在庫管理、工程管理などです。

金融・公共事業関連

こちらは、特に特定の特徴があるという感じではなく、顧客の業界としてセグメントしている模様です。金融業界と自治体、大学等、公共を相手にしている事業というところです。

売上高の構成及び取引先

それぞれのセグメントの売上高の構成比率や顧客の内訳については、決算説明資料にまとまっていて分かりやすいです。

直近の2021年第二四半期の説明資料を見ると、ポイントは以下の通りです。

・売上構成比は、組み込み関連事業 36%、製造・流通及び業務システム関連 51%、金融・公共関連事業 12%
・組み込み関連事業の顧客は、車載関連がトヨタグループが大半、民生・産業機器では富士電機が大半。
・金融・公共事業の顧客は、日立グループがほぼ100%近く

特定の企業というところでいくと、トヨタ、富士電機、日立グループへの依存度が比較的高いということが理解できます。

考察と今後

数字を見ると、株価の水準は割高水準ではなく、業績も右肩上りで推移しているのは良いポイントです。最近は売上に対して利益の成長率が高くなっているので、収益率の高い案件に関われているのでしょう。

事業内容自体は、構成比で考えると、製造、流通及び業務システム関連事業の割合が高く、新規顧客の割合が多く、年度毎の顧客の入れ替わりも多いとの記載もあるので、変動は高いビジネスなのではと予想がつきます。

二つ目に売上高構成比として大きな組み込み関連事業に関しては、車載組み込み関連事業は、テーマ性のある面白い領域だと考えられます。特に当社はトヨタグループ向けの比率が高いようなので、自動車業界自体が大きな変革を求められているので、何かしら動きがあるテーマをもった銘柄とも言えるでしょう。

事業沿革を見れば、2018年の7月に、株式会社ネクスティエレクトロニクスと業務資本提携を発表しており、当社は豊田通商グループなので、トヨタグループとの関係性がますます強まっていることがわかります。

2019年2月に上場したばかりの比較的上場マーケットでは新しい企業なので、今後の動きにも注目する必要がありそうです。

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※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。