セキュアヴェイル (3042)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性

セキュアヴェイル (3042)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性

セキュリティ関連銘柄として、セキュアヴェイル(3042)の業績、株価、売上高等を分析、考察しています。

DXや事業のIT化が進むとますますセキュリティ関連のニーズは高まってくると予想されるため、長期的には注目できるテーマとしてセキュリティ関連があります。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/2/1)

時価総額:24億円

PER(予):78.76倍

PBR:2.33倍

時価総額は、20億円台と非常に小さい水準となっています。その割に、PERが高いのは、利益水準が一時的にか、恒常的に低い可能性があります。

時価総額の低い銘柄に関しては、利益水準が大きくブレることがあるため、PERはあまり当てにならないことがたくさんあるので注意が必要です。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:683

2017年:792

2018年:830

2019年:969

2020年:1,190

売上高は、2016年から順調に増加しています。2019年、20年と成長率が上がっているのは良いポイントでしょう。過去の売上高の推移を見ると、2009年台には、12億円近く売上高があったこともあり、ビジネスモデルを過去に変えている可能性もありそうです。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:54

2017年:53

2018年:11

2019年:43

2020年:77

売上高は伸びている割に、営業利益はあまりパッとしません。ここら辺が株価が安く放置されている要因かもしれません。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:44

2017年:42

2018年:6

2019年:26

2020年:56

当期利益も同様です。赤字ではないのですが、2013年より前は、赤字の年が結構あったので、現状のビジネスモデルは収益が上がるものになっているか確認が必要です。

ROE推移

(単位:%)

2016年:9.4

2017年:8.2

2018年:1.3

2019年:3.8

2020年:7.4

ROEはそこまで高くありません。利益水準がそもそも低いのであまり参考にならないでしょう。

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:-

2017年:-

2018年:-

2019年:32

2020年:28

有利子負債はほぼないと考えて問題ないでしょう。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:360

2017年:348

2018年:385

2019年:591

2020年:687

現金は、2019年に増やしています。2020年現在も6億円近くあります。潤沢とまではいかないですが、多少余裕はあると言えるでしょう。利益がそこまで上がっていないので、どのように現金を積み上げているのか気になるところです。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:50

2017年:68

2018年:39

2019年:123

2020年:94

営業キャッシュフローは単年で、1億円に満たない年もあります。

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-68

2017年:-80

2018年:0

2019年:-43

2020年:5

投資活動もそこまで大きい額が必要というわけではありません。

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:1

2017年:0

2018年:-2

2019年:125

2020年:-3

財務活動も、特に大きな動きはなさそうです。

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-17

2017年:-12

2018年:39

2019年:80

2020年:99

2016,17年とマイナスとなっていますが、直近はプラスで推移しています。ただし、規模としては低い水準なので、少し物足りなさはあります。

セキュアヴェイル、事業内容

※以下の項目は、2018年4月に記載された内容となります。

事業内容:コンピュータ・ネットワーク・セキュリティシステムの設計、構築、運用監視、ログ分析および関連製品の販売。

  • システムセキュリティ運用・監視サービス
  • ログ解析サービス・製品販売
  • セキュリティシステムの設計、構築、関連製品の販売

セキュアヴェイル、成長可能性

外部環境としては、セキュリティの脅威となるサイバー攻撃の増加や個人情報保護の動きの高まりなどにより、各社ともセキリティに対する意識の高まりは強まっていると思われます。

また、IoT製品の開発や生活への浸透により、日々の生活におけるIT化の進展も併せて、外部環境としてのマーケット環境は良いと思われます。

特に日本企業は、セキリティ意識が弱いと言われており、課題は山積みだと考えています。

ITR社の調査も上記予想を裏付けています。

国内サイバー・セキュリティサービス市場(全28分野)の2016年度の売上金額は約2,420億円、前年度比9.5%増となった。近年、サイバー攻撃は、自社運用だけでは対応できないほど巧妙かつ高度化しており、被害はより甚大化している。

2016年度から2021年度までの年平均成長率(CAGR)は9.5%、市場規模は3,800億円を突破するとITRでは見ている。

出典:https://www.itr.co.jp/special/securityservice/index.html

したがって、セキュリティマーケットには注目に値し、有望なマーケットではないかと考えています。

また、企業側のセキリティの課題としては、人材確保がトップにあり、セキリティに精通した人材不足が課題の根幹としてあることが理解できます。

過去の業績から、セキュアヴェイルの経営は堅実であるか。

出典:当社HPより

当社は、2012年からストックビジネスへの移行を標榜し、利益率と利益ともに上昇傾向にあります。一方で売上は伸びない時期もあり、企業の経営状態による投資抑制の影響があるものかと考得られます。

この点は、セキュリティに対する企業経営者の意識の高まりがない限り、景気が悪くなったから、セキリティへの新規投資は控えようという考え方になってしまいます。

ビジネスモデルの優位性

統合セキュリティ運用サービス「NetStare(ネットステア)」や統合ログ解析ソフトウェア「LogStare(ログステア)」といったソフトウェアの提供後の保守料・ライセンス料はストックビジネスであり、長期で売上が積み上がっていくモデルであります。

ただ、個別のサービス内容としては私自身が技術面のところが分からなかったので、特に他社が持ち得ないような特別な点は見当たらなかったです。

ただ、セキュリティ専業で独立系という点で、他のセキリティ会社にはない柔軟性やこれまでの経験からの強みはある可能性があります。

成長への継続的投資を実施しているか。

キャッシュフローをみると、投資CFが営業CF上回る年度もあり、投資は積極的に行なっていることが分かります。

理想的には、営業CFが投資CFを上回る状態ですが、成長に向けて先行投資をしているためでしょう。

2017年度は、研究開発費として、36,464千円計上しています。当該年度の売上が792,328千円であることを考えると研究開発費が4.6% と高い水準であると思われます。

この業界は人材が命といえるのですが、採用も積極的に行なっているようで、2016年53名から、2017年は67名と大幅に増えています。

研究開発費の中で気になるのが、新商品の「NetStare® Suite」クラウドサービスとして、システムやセキリティリスクを予測するシステムです。

これを無償提供しており、初期の顧客獲得に貢献することができると期待できます。

優秀な経営陣はいるか。

代表取締役 米今政臣

経歴:

昭和61年9月 日本オリベッティ株式会社(現エヌ・ティ・ティ・データ・ジェトロニクス株式会社)入社
平成8年11月 新日鉄情報通信システム株式会社(現新日鉄住金ソリューションズ株式会社)入社
平成13年4月 ジェイズ・コミュニケーション株式会社入社

平成13年8月 当社設立代表取締役社長(現任)
平成18年12月 当社社長執行役員(現任)

かなり古いのですが、少しだけインタビュー記事がありました。2007年実施のインタビューで、セキリティ技術者の育成セミナーについて書かれています。

当時セキリティ人材があまりいない状況において、社長はセミナーを無料で開催、しかもこのセミナーが6週間で2週間ごとに試験があり、試験を通過すると5万円の報奨金がもらえる。

全て通過した人には、15万円の報奨金と当社への入社資格が得られるという仕組みです。

それだけ、人材不足であったことが理解できます。

今の状況はどうなのか、分かりませんが、セキリティ人材不足は大きな課題となっていて、当社はその点教育を提供できる体制があるのだと思います。

分析コメント

魅力的な点

・セキリティマーケット自体が有望で、伸びるマーケット

・ストックビジネスへの転換により利益率、利益が向上している。

・新製品開発などの研究開発に積極的

・新商品のクラウドサービスの売上貢献に期待

懸念

・売上を今後どれだけ伸ばせるか未知数。

・技術的、ビジネスモデル状の優位性が明確でない。

・企業のセキュリティへの投資は景気の動向に左右されやすいといえる。

テンバガー可能性

「C」評価です。
※「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5段階で勝手に評価した場合です。

セキュリティをテーマとした銘柄なので、あらゆるサービスのオンライン化やIoTなどが進むことでニーズは増してくるため追い風と考えられます。しかし、今現状の当社の数字を見るとまだ稼げる体制にはなっていないため、テンバガーの確度は低いと思われます。今後、何か新しい主力商品などが出てきて、業績インパクトが大きくなれば、再検討となります。

最後に個別株投資の基礎を学ぶことは、将来の資産形成や財務の知識を高めるために非常に重要です。以下では、お金をかけずに効率的に学ぶことができる3つの簡単な方法をご紹介いたします。

方法①:無料の勉強会・セミナーに参加して体系的に基本を学ぶ

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方法②:SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用する

SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用して銘柄を見る習慣をつけることも効果的です。


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関連記事:SBI証券のスクリーニング指標一覧、機能の使い方

関連記事:小型株・成長株、銘柄一覧まとめ【日本の有望銘柄80社をブログで紹介】

方法③:著名な投資家の本を読む

以下の関連記事で、個人的に読むべき10冊をまとめています。

関連記事:株式投資の本質を勉強するためのおすすめ書籍10冊

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