パピレス(3641)、株価、業績分析、強みと成長可能性

パピレス(3641)、株価、業績分析、強みと成長可能性

電子書籍販売サイトを展開するパピレス(3641)の業績、売上高等を分析、考察しています。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/1/7)

時価総額:234億円

PER(予):16.25倍

PBR:2.72倍

PER予想は、16倍と過熱感はありません。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:10,452

2017年:14,141

2018年:16,202

2019年:19,162

2020年:23,347

売上高の伸びは素晴らしいです。直近の成長率は少し鈍化しているように見えますが、それでも順調に伸ばしてきております。5年で売上高は2.3倍です。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:1,019

2017年:1,657

2018年:1,278

2019年:1,970

2020年:1,532

営業利益は、売上のように右肩上がりというわけではいかない模様です。2020年には、減益となっており、2018年同様、減益となることもあります。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:651

2017年:1,134

2018年:853

2019年:1,348

2020年:967

当期利益も、同様に、大きく伸びる年もあれば、前の年の反動からか減ってしまう年もあります。ただこの会社のすごいところは、2008年以降一度も赤字がないというところ。このような過去実績がある会社は一定の安心感はあります。

2015年から2016年にかけて、明らかに利益の水準が変わっています。2016年〜2020年は過去に比べて、飛躍の年となったと言えるでしょう。

ROE推移

(単位:%)

2016年:18.8

2017年:24.9

2018年:15.9

2019年:20.3

2020年:12.8

ROEも高い水準をキープできています。電子書籍というだけあって、アセットを保有せずに、利益を生み出せる仕組みがあるのでしょう。

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:-

2017年:-

2018年:-

2019年:-

2020年:-

有利子負債は特にありません。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:3,537

2017年:4,916

2018年:5,430

2019年:7,792

2020年:8,806

すごい勢いで、現金等の保有残高を増やしています。2016年には、35億しかなかったのが、2020年では、88億円近く保有してあります。潤沢な資金はあります。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:1,157

2017年:1,488

2018年:680

2019年:2,349

2020年:1,229

一定のブレはあるものの、プラスで大きく推移しています。直近はかなり伸ばしてきている印象です。

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:306

2017年:-68

2018年:89

2019年:-38

2020年:-10

営業活動のキャッシュフローに比べて投資活動は、特に大きな支出等はありません。かなり儲かるビジネスをやっている印象です。

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:13

2017年:-37

2018年:-246

2019年:39

2020年:-176

財務活動も特に大きな動きはありません。

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:1,463

2017年:1,420

2018年:769

2019年:2,311

2020年:1,219

フリーキャッシュフローとして、毎年10億円〜前後で推移しているので、キャッシュが貯まるのも納得の水準です。

事業内容

株式会社パピレスは漫画や小説を電子化したデジタルコンテンツの販売や制作を行っている企業です。

国内初の電子書籍販売&レンタルを開始した企業です。

展開している事業として、電子書籍配信事業、電子レンタル事業、電子書籍投稿&編集プラットフォーム事業の3つが挙げられます。それでは3つの事業を順番に見ていきましょう。

電子書籍配信事業

・電子書店パピレス

書籍をデジタル化し配信するサービスの先駆者サイトです。小説などの文庫本から漫画、動画まで幅広いコンテンツを扱っています。

・犬耳書店

本の読みたい箇所を部分的に購入することが可能な電子書籍サイトです。自分の読みたい箇所のみの購入のため、本を1冊購入するより安く購入することができます。

※電子書籍パピレス、犬耳書店は「Renta!」にサービスを完全移行します。2021年2月25日でサービスを停止する予定です。

電子書籍レンタル事業

・Renta!

電子書籍レンタルサイトとしては業界初のサービスです。サービスのコンセプトである「誰でも簡単、すぐ読める」の通り、検索→購入→閲覧の流れを徹底的に簡略化し、お客様にストレスなく利用できます。

ブラウザ上での閲覧が可能なため、専用アプリ等のインストールを必要としません。また、全商品のサンプル閲覧が可能となっており、購入に迷っている方でも気軽に利用できます。

近頃では、CMやネット広告等に力を入れており、知名度向上を図っていることがわかります。

・タテコミ

Renta!サービスの中でスマートフォンでの閲覧に特化した縦スクロール閲覧サイト、タテコミをリリースしました。

特徴として、

・ヒトコマ事の画面表示
・フルカラー化コンテンツ
・メジャー作家作品も取り揃えている

従来の電子書籍コミックでは、全ページピンチによる拡大操作が必要でしたが、タテコミでは予めコマ割りされた画面が表示されるため、読み手の作業負担を減らしています。

電子書籍投稿&編集プラットフォーム事業

upppi

個人で電子書籍の投稿や閲覧が可能なサービスです。出版社を通さず個人で誰でも投稿可能であることが特徴なサービスです。また、コンテストと呼ばれる作品審査会を開催しており、入賞者にRenta!等の電子書籍サービスでの配信を行っています。

海外向け電子書籍事業

国内だけでなく、海外にも電子書籍配信サービスを行っています。パピレスとアムタス(めちゃコミック)の共同出資により設立した「アルド・エージェンシー・グローバル株式会社」により海外向けに日本の書籍文化を届けます。特に翻訳には力を入れており、日本語の独特な言い回しを海外読者に受け取りやすい表現で翻訳しています。

今後と考察

今後の成長性を検討する上でのポイントとなりそうな部分は、以下の通りです。

・国内のデジタルコンテンツ市場の成長性
・海外市場の開拓余地について
・競合他社との差別化ポイントについて
・海賊版への対策

国内のデジタルコンテンツ市場に関しては、市場予想では堅調に成長が予想されております。今回のコロナによる巣籠需要によって、売上高、利益ともに大きく成長していたのですが、どこまで前倒しで成長したのか、アフターコロナでの反動は気になる点です。

今後の成長可能性に関して重要なポイントとしては、海外市場の開拓余地です。アジア圏における成長は期待ができるのですが、英語圏(米国やヨーロッパ)で、どこまで日本のアニメが受け入れられるのかという点は重要なポイントになってきます。

海外の場合には、海賊版への対策も、日本のように一筋縄にはいかない印象があるので、グローバル市場での戦い方は異なってくる可能性があります。しかしながら、当社の売上高に占める海外市場の割合はまだまだ小さく、成長の可能性はかなり秘めていると言えるのではないでしょうか。

そして、最後に競合他社との比較という点ですが、当社の強みとしては、業界で最初に電子書籍事業を立ち上げたということもあり、ユーザービリティという観点では先行しているのではないでしょうか。タテコミと呼ばれる、モバイル端末でも漫画を読みやすくなる技術は、ユーザーにとって非常に重要で、一度慣れてしまえば、他のサービスへのスイッチングは低くなるでしょう。

そして、もう一つ電子書籍ビジネスで重要となってくるのが、いかに魅力的なコンテンツを提供できるかという点でしょう。コンテンツとしては、他出版会社から仕入れる形態と、オリジナルコンテンツの提供のに種類があります。他出版会社から仕入れるという店では、どこの競合他社も同じですが、一番脅威と言えるのは、出版会社自体が電子書籍事業に参入してくることでしょう。仕入れが安くなるので、販売価格を安くしたり、独占で公開するなどができます。

当社としては、潤沢な財務内容を背景とした、広告戦略による認知の獲得により、多くのユーザーを抱えているという点、またこれまでの長年の実績から獲得したユーザービリティの高さなど、細かい点で他社が真似できないポイントを有していると考えられるでしょう。それは、過去の経営の実績値としても理解ができるポイントであります。

グローバル展開という点では、日本が海外に勝てる希少な領域、コンテンツビジネスという点で期待ができるテーマ性のある銘柄とも言えるでしょう。

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※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。