一家ダイニングプロジェクト(9266)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性

一家ダイニングプロジェクト(9266)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性

外食産業で、小型株ということで一家ダイニングプロジェクト社をリサーチ対象として、ピックアップしました。

強いブランドコンセプトがある外食店は急激に成長することが多く、過去にも10倍株を達成しています。

関連銘柄:過去10年で10倍株、テンバガーとなった銘柄を調査、共通点を抽出

一家ダイニングプロジェクト、ビジネスモデル・事業内容

飲食事業とブライダル事業の二つで事業は構成されています。

・飲食事業(20192月時点)

こだわりもん一家

13店舗展開、コンセプトは、第二の我が家にいる様なほっとくつろいで過ごしていただく、というものです。

客単価は3,800円と、居酒屋では、中価格帯といったところでしょう。

Google Mapで検索して、口コミをみると、どの店舗も割と評価は高め、3.4から4.0程度です。

口コミに対して、オーナーからの返信として、対応している点も好印象です。

都内は、渋谷、銀座、上野など主要エリアに展開、その他千葉県も主要な駅に展開しています。

屋台屋 博多劇場

41店舗展開、こちらも東京都内と千葉県中心に展開しています。

コンセプトは、博多中洲の屋台村ということで、店内を見ていただければ分かるのですが、屋台を忠実に再現している印象があります。

客単価は、居酒屋では低価格帯に属するであろう2,500円です。

こちらもGoogle Mapで口コミあを確認すると、3.5から4.0の割と高めの評価が目立ちます。

その他の飲食店舗は1店舗ずつなので、説明は割愛します。

Trattoria&WineBar Tango1店舗

鮨あらた1店舗

・ブライダル事業

ブライダル施設「The Place of Tokyo」の運営

東京タワーの前に位置するブライダル施設

3つの披露宴会場を用意しています。

数字で見る一家ダイニングプロジェクト

有価証券報告書-第21(平成2941日-平成30331)より

決算年度 2018年度月(単位 百万円)

売上高  6,149
当期利益 154

営業CF 402
投資CF -403
財務CF  406

現金、現金同等物 1,276
有利子負債 1,306

・セグメント別売上

飲食事業 3,885
ブライダル事業 2,264

ROE 19.5%
従業員数 220

注目点、強み

・こだわりもん一家のおもてなしにこだわったコンセプトが、店舗デザイン(オープンキッチン)に表れ、お客、スタッフの距離が近い

・博多劇場の旨くて安い屋台飯のコンセプトが独特で差別化

・サービス力の向上に力を入れている点。(例:店舗ミーティングやロールプレイングの実施など)

・従業員満足度を重視する姿勢

・博多劇場は、新規出店ペースが早い。

懸念点

・ブライダル市場自体が縮小傾向にあること

20193月期第3四半期で、ブライダル事業が前年同期比で減収減益で着地

・ブライダル事業の全体売上に占める割合が約36%と高い

・ブライダル施設「The Place of Tokyo」はリース契約で賃借。年間リース料が252百万円と負担が大きい。

・飲食業界の慢性的人手不足

・こだわりもん一家の業態の売上高、新規出店の伸びが鈍化

・有利子負債の高さ

株価水準

20193月時点

時価総額:約億51円

PER(会社予想)約27.3倍

追記:2021年11月

時価総額:約億38円

PER(会社予想)約-倍

一家ダイニングプロジェクト、分析コメント

飲食事業は、博多劇場が比較的好調で、こだわりもん一家が低調という構造になっています。

出店数でも博多劇場は順調に推移しておりますが、平成31年1月度 飲食事業部 月次報告を見ると、博多劇場は客単価が下がっていますが、客数が増えたことにより横ばいという構図を読み取ることできます。

博多劇場の出店数が増えているので、全体としての売上は伸びていくことが予想されますが、集客のための客単価の下落が今後続くことがあれば収益性は悪化することも予想されます。

内部要因によるものなのか、外部要因によるものかは判断がなかなか難しいのですが、顧客がリピートするような魅力的な商品や施策を打っていくことが既存店には重要になってきそうです。

もう一つの事業の柱であるブライダル事業が、やはり1番の懸念材料といったところでしょう。

売上の割合もある程度占めているので、こちらのテコ入れが重要な戦略になってきそうです。

ウェディング事業に関しては、外部環境の影響が大きそうなのですが、客数が減ったのであれば、客単価を上げるような取り組みや、何か特別感を出すような取り組みが必要なのでしょう。

ウェディング事業でも、クレイジーウェディングのように新たなウェディングの形、体験重視型、カスタマイズ重視型の、他と違った思い出づくりの要素が強くなっている可能性もあり、消費者動向をしっかりキャッチする必要があるのでしょう。

施設型のウェディングの強みを生かしつつ、消費者ニーズを上手くつかめるかが鍵になってきそうです。

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