CRGホールディングス(7041) 事業分析、株価|人材派遣事業、HRテック事業

CRGホールディングス(7041) 事業分析、株価|人材派遣事業、HRテック事業

2018年度上場したばかりの企業、CRGホールディングスを今回は簡単に調査してみました。

新規上場銘柄、人材系、時価総額の安さ(約50億円)ということで、ピックアップしました。

似たような形態だと、アウトソーシング社(2427)がありますが、こちらは2011年に株価が55円から、2017年末に2,000円近くまで上昇、約40倍株となっています。

人材派遣業の追い風を受けての急成長ということでしたが、CRGホールディングスはどうなのか、詳細を見ていきましょう。

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CRGホールディングスの事業内容

CRGグループは、現在5つの柱があります。

人材派遣紹介事業

株式会社キャスティングロード

派遣の種類は4つある模様です。
それらは、コールセンターサポート、オフィスサポート、メディカケアサポート、シニア派遣です。

この中でも主力は、コールセンターサポートです。

CRGグループの特徴としては、ITを活用した仕組みが特徴としてありそうです。
アプリを活用した勤怠管理や「C3」と呼ばれる基幹システムによる仕事の一斉紹介などが該当します。

ユニット型派遣も面白い仕組みだと思います。
個別の人材派遣ではなく、スーパーバイザーと一緒に派遣スタッフをまとめて派遣するという形態です。

マネジメントや管理という観点からもスーパーバイザー付きの方が、導入時点やマネジメントという観点からスムーズなのかもしれません。

株式会社ジョブス
トランスポート、イベント、ワークス、セールスサポートの4つの分野で派遣を実施しています。

トランスポートは物流業界に特化したデリバリースタッフの派遣。

イベントは、集客かくから運営までサポートを実施。
ワークスは、物流・倉庫内の業務がメインとなっていそうです。
セールスサポートは、販売・接客に特化した人材派遣です。

物流事業は人手不足が課題となっている業界ですので、気になる領域です。

ソフトウェア開発・IT人材派遣事業

こちらは、システム開発、エンジニアの派遣が該当します。

各社のニーズに合わせたチーム編成で派遣できることが特徴としてあるのでしょう。

IT人材のニーズは非常に高いので、気になる事業です。キャリアデザインセンターもIT人材派遣が伸びていました。

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HRシステムロボ事業

HRテック系の各種サービスを提供している模様です。自社で使用してきたノウハウを生かして横展開ということだと思われます。

具体的なプロダクトは以下の通り、

・RPA残業改革ロボ「RooPA

RPAとは、事務系のルーチンワークをシステムで代替しようということですね。

RPAによって、人員リソースの削減につながるということで、当社事業にとっては相反するものではないかと思われるのですが、先を見越して、時流の流れに沿う戦略を取っているのでしょう。

考え方としては、RPAによって人員の削減につながるため、脅威ではあるが、時代の流れには逆らえないので、自社でもプロダクトを開発してしまおうということかと思います。

・「C3

この基幹システムは当社の1番のコアとしての強みなのではないかと推察しています。

派遣スタッフ、派遣先企業とのやりとりをスムーズに進めるための重要なシステムです。

具体的には、以下のような機能がついていると推察されます。

派遣スタッフは、システムからの検索、案件紹介を受けることができます。どれだけマッチング率を高めることができるかが重要なので、ここのロジックはビジネス上肝となっているのでしょう。

また勤怠管理アプリの「キャスケ」によって勤怠を報告でき、システムにデータを送ります。

システム上に上がってきた勤怠情報をもとに、給与計算や請求処理のデータが派遣先企業に送られます。

P.i.T勤怠

勤怠管理の自動化を支援するシステムです。スマホアプリを活用して、勤怠データをシステムに送り、P.i.T勤怠によって、「タイムシートの仕分け、入力、不備確認、修正」の作業を自動化できる模様です。

採用支援・BPO事業

企業の採用プロセスの一部をアウトソースして請け負う事業です。

WEBサイトを見ればわかるのですが、全プロセスのうち、募集手段設計、募集手段展開、応募対応、給与計算、採用管理の部分に特化しています。

製造請負事業

請負と派遣は違うので、理解しておく必要があるでしょう。

請負契約とは、民法第632条では、請負契約を「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。」としています。
出典:https://bizhint.jp/keyword/130994

請負とはどちらかというと、業務の成果、結果に対して報酬が支払われるので、請け負った業務の改善や成果次第では報酬が変わるということがポイントでしょう。

CRGグループが担当しているのは、工場内製造業務や工場内物流業務、倉庫運営、などです。

こちらの事業も、物流・倉庫系の業界に携わっていることが分かります。

数字で見るCRGホールディングス

有価証券報告書-第5期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)より

決算年度 2018年度9月(単位 百万円)
売上高 20,628
当期利益 336

・売上構成
人材派遣事業 18,879
製造請負事業   1,710
その他事業   38

営業CF 623
投資CF – 99
財務CF – 388
現金、現金同等物 1,875
有利子負債 1,369

ROE 32.2 %
従業員数 418 名

注目点

・ROEがとても高い点は素晴らしいと思います。効率的な経営が出来ているのでしょう。

・物流・倉庫業務、シニア層の活用、メディカルスタッフの派遣など時代のニーズに合った事業展開を実施している点。この分野は物流課題、ヘルスケア、高齢社会というトレンドで、今後も伸びていきそうです。

・派遣会社でありながら、RPAや基幹システムなどのITソリューション提供に力を入れている点。RPAやHRテックなど、人手不足の社会のニーズを捉えられる可能性があると考えています。

・基幹システムの「C3」によるシステムを活用したオペレーション力。他社の人材派遣企業にはない強みかもしれません。システムによる効率的なオペレーションが構築できれば、コスト優位性を確保できます。

懸念点

・業態そのものに言えることですが、派遣事業は景気変動に敏感なので、景気後退局面では耐性が弱い可能性があります。

・同業の派遣会社は複数存在、人材確保の競争、価格競争が起こっている。これは人材派遣業界全般に言えることでしょう。だからこそ、システム投資によるオペレーションの構築が重要になってきているのでしょう。

・コールセンター向けの派遣の売上依存度が高いこと(連結売上の約6割)。コールセンター業界自体、何らかの技術革新が起こる可能性がないのか、気になるところではあります。

りらいあコミニケーションズ社への売上依存度が高い(全体の約14%)

株価水準

2019年3月時点

時価総額:約56億円
PER(会社予想)約12倍

CRGホールディングス、まとめ

気になるポイントとしては、コールセンターの派遣事業の依存度が高い点です。

コールセンター事業は今後どうなっていくのでしょうか。りらいあコーポレーション社の業績を見ると、2015年以降、右肩上がりで業績は増えていてはいます。

参考記事:コンタクトセンターの市場規模 | クラウド化が進行するソリューション最前線

参考記事を見ると、市場規模は8,000億円代で増加傾向にはありそうです。

コールセンターのクラウド化が進んで、中小企業の参入が増えたことと、通販などの業態の拡大などが背景として考えるかもしれません。

技術革新のスピードが、コンタクトセンターをどれぐらいの規模やスピード感で代替していくのかという観点も気になるところです。

参考記事:コールセンターの音声対応をAIで代替、パワー・プロフィット・ジャパンが10月に製品化

個人的には、一定の業務の機械化は進んでいくと思いますが、いきなり代替ということはないのではないかと考えています。

当社は、HRテックとして、RPAやシステム開発にも力を入れている模様なので、ここらへんの事業もこれまでのノウハウを生かしつつ参入してくのではないかとも考えています。

直近IPOした銘柄の中では人気化がしていないので、株価も適正水準近くに収まっている感じがしています。

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