長期投資の銘柄選択術、具体的なやり方を基本戦略を紹介

長期投資の銘柄選択術、具体的なやり方を基本戦略を紹介

長期的株式投資における基本戦略

私が考える株式投資の原則は、「長期でみれば、優れた企業はマーケットが価値を理解し、株価に反映される」というものです。

したがって、長期という前提において、優れた企業さえしっかりと見つけることができれば、投資では勝つことができるはずであるという考え方です。

では、ここでポイントとなるのは、

・長期投資家が求める優れた企業とは何か?

・優れた企業とはどのように見つけることができるか?

・リターンという観点から、理想の投資先とは何か?

ということである。

一つ目、二つ目についてはこの後に記載するとして、三つ目の観点は一考に値する。

優れた企業について議論して理解したところで、株式投資においてリターンを上げるということを前提に考えると、どのような要素が重要なのかということである。

これについては、次項で説明する。

本質的ビジネス目線で考える理想の株式投資先とは何か。

ビジネスと同様に利益を上げるためには、売上をより多く上げ、コストを安く抑えることである。

株式投資に言い換えると、安く仕込んで、高い時に売るということである。

そのため、安い買い物(投資対象)をどうやって見つけてくるかということが、重要な点であることを忘れてはいけない。

値段が決まるのは、需要と供給によって決まることは当たり前だが、株式投資においても同様のことが言える。

つまり、需要があまりない時、もしくは供給が多い時の方が、安い買い物ができる。

需要が少ないということは、まだ大多数の人が、会社の価値に気づいていないということである。

他の人が気づいていない価値に早くに気づくことができれば、後々、価値が顕在化して需要が増えた時には、株価は高くなり、その価格差によって利益を生み出すことができる。

供給が多い時というのは、大多数の人が株を売りたい時、つまりは景気が悪化した時や、企業に関して一時的な悪いニュースが流れた時などである。

ポイントは、大多数の人が気づいていない、見逃している価値をいかにして気づくかということ。

何らかの要因で売りが増えたタイミングを捉える(重要に対して、供給が増える時)が重要なポイントである。

したがって、私は株式投資において、他と比較してあまり見向きされていない、見逃されている企業群をターゲットとしたい。

その特徴としては、

・時価総額が小さい企業

・設立して間もない企業

・人気化していない企業(未だ割安)

以上が挙げられる。それらを基本方針とした。さて次項から優れた企業、ならびに理想の投資先について重要と思われる条件を洗い出してみた。

関連記事:過去10年で10倍株、テンバガーとなった銘柄を調査、共通点を抽出

投資先企業は何らかの長期的な成長ストーリーが描ける。

長期的な成長が見込める領域かどうか。

これは、大前提として特に重要な要素である。会社の事業内容を理解し、将来成長するマーケットをターゲットにしているかということを理解しなければいけない。

日本経済全体が縮小傾向にはあるが、その中でも成長領域はあり、その成長領域をターゲットとしている企業かどうかという点は、もっとも重要な要素と思われる。

たとえ、とびっきり優秀な経営陣や、資本力があったとしてもターゲットとしている領域自体がどうしようもない。

成熟・衰退マーケットである場合は、企業が自力ではどうしようもないため、長期での成長は見込めないからである。

成長が見込めない領域ではどう足掻いたとしても成長が見込めないので、どこを戦場として選んで戦っているかということは慎重に理解する必要がある。

しかし、注意しなければいけないことは、マクロ環境のみで物事を判断してしまうと大事なことを見落としてし可能性があるということである。

例えば、伝統的な産業で全体のトレンドとしては縮小傾向にあるとしても、イノベーティブな事業モデルで、既存のソリューションの代替となるサービスを提供している場合などである。

事業モデル自体に革新性がある場合には、成長は見込めるということである。

例えば、印刷市場という伝統的な衰退マーケットで、シェアリングエコノミーを導入して急成長したラクスルが好例である。

ただし、大前提としては、伸びているマーケットで勝負できることが望ましいと言える。

長期的な成長ストーリーを想像する。

会社が戦っている領域が理解できれば、その中で会社はどのような戦い方をして成長戦略を描いているかを理解する。

ここからは想像力が必要となるが、何らかの形で、時代背景やニーズから、会社が描いている成長ストーリーが実現しそうか実感ができるかどうかである。

この点は、あらゆる情報ソースが頭の中にインプットされていることで想像力の幅を広げることが重要だ。

例えば、他国の先進事例や、過去の企業の成功事例、失敗事例、マクロ環境の変化、将来予想などが、情報ソースとしては活用ができる。

関連するであろう周辺情報を集めて、色々と考え、自由に想像・思考してみることが望ましい。

こういう時代になったら、この企業が提供しているソリューションは、需要がありそうだとか、自由な発想で思考を巡らす必要がある。

そういう意味で情報量の多さや、情報と情報を繋げて考えられる人は投資家に向いているのかもしれない。

アップサイドが狙える中、小型株に特化

株式市場において、同じようにリスクを背負うのであれば、アップサイドが多い方が良いに決まっているはず。

また、最初の項目で記載した通り、安い買い物をするという観点からも、小型株を狙うことが良いだろう。

小型株はリスクが伴うということを言われるかもしれないが、そこはリスクを最小限にするようにスクリーニングすることで最低限のリスクは排除できるはず。

なぜ小型株は他に比べて、その価値が気づかれていないか。

・マザーズやジャスダックに上場しているため、東証一部に比べてプレイヤーが少ない点

・大手のファンドなどはサイズ的に投資対象から除外していることが考えられるため、しっかりとした分析レポートが出回っていないことが考えられる。

成長ポテンシャルという観点では、少し簡単にイメージができる。

企業のサイズが小さい方が、図体のでかい組織、成熟している組織よりも成長スピードは高いと思えないだろうか。

時価総額が50億円の企業が、500億円になるのと、
時価総額500億円の企業が、5000億円になるのとでは、

前者の方が、成立しやすい。

実際に統計は細かく調べていませんが、10倍株になった企業はいずれも小型株が多かった。

過去の実績から推察、経営が堅実であること

経営は過去を遡れば、どのような経営を行なっているかが分かる。特に経営の堅実性を判断するためのポイントとしては、

・過去の売上は順調に伸びているか。

・売上に比例して、利益は伸びているか。

・過去、赤字を出していないかどうか。

・コスト削減に努力をしているかどうか。

・経営成績が悪かった時の対処はどうだったか。

などが挙げられる。

経営とは、単純に考えれば、売上をいかに上げ、コストをいかに下げるかという活動なので、その点過去の経営成績を見れば、把握することができる。

また、困難な状況にどのように対処したかという点も非常に参考になる。

例えば、リーマンショック時などにどのように対処したか、この点まで遡ってみれれば、困難な状況での経営のやり方がみえてくる。

財務が健全であること、余裕を持った経営がされていること。

Cash is king. この考え方は重要。

これは、経営が堅実であるかということに近いのですが、財務状態を調べる必要があります。特に有利子負債の高さは要チェック項目

有利子負債の高さは、事業環境が悪化した際の大きなリスクとなる。

大きなデメリットとしては、多大な有利子負債を抱えていては安心して成長に投資ができないという点と、収益が減った際に利息の支払い負担が大きくなるという点が挙げられる。

また、有利子負債が少ないメリットとしては、マーケットが悪化した際には、競合他社よりも優位なポジションで、余裕を持って戦うことができるというメリットがある。

例えば、ある企業は、潤沢なキャッシュを元に、リーマンショック時に買収を仕掛け、マーケットが回復した際に買収した企業は収益に多大な貢献をしたという事例がある。

したがって、余裕がある時に有利子負債の返済をしっかり行なっている、手元に潤沢な現金があるということは、プラスポイントとして、条件に含めることが望ましい。

負債の少ないキャッシュリッチな企業とは、優れたビジネスモデルで事業展開していることの証でもあり得る。

何らかの理由によって、コストを抑え、キャッシュが積み上がる構造になっているともいえる。

今後、外部環境が継続して良いとも考えられないので、リスクを最小限にするという点においても、この点には注意を払う必要があるでしょう。

長期的なビジネスモデルの優位性が確立されている、もしくは将来的に構築ができる。

これは、上記の財務が安定している企業の特徴とも言えるのですが、何らかの形でビジネスモデルの優位性が確立されているか、どうかというポイント。

企業は、短期的ではなく、持続的に長期で成長することが望ましく、そのような企業はマーケットでも高く評価される。

継続的に成長する可能性がある企業とはどのようなものかというと、ビジネスモデルで優位性を構築できている企業だと考えられる。

ビジネスモデルに優位性があるとは、何か。以下にポイントをまとめた。

・参入障壁を構築できる。

・代替の脅威がないこと。

・ストックビジネスであること。

・顧客のサービス依存度が高い。

それぞれについて、詳細をみていく。

参入障壁を構築できる。

企業にとっての脅威は他社との競争。競争がなければ、当該マーケットで独占的に利益を獲得することができ、企業は安定的に成長することができる。

競争の脅威から会社の身を守るのが、参入障壁

参入障壁は様々な要素があり、他社が簡単に参入できないような強みを会社が持っているかが重要な要素となる。

それは、技術力なのか、ネットワークなのか、顧客との関係性なのか、ビジネスモデルそのものなのか。

この点は、しっかり検証する必要があり、企業分析の要となる。

代替の脅威がないこと。

見落としがちだが、今時点での競争ではなく、将来的に新たなソリューションによって代替されてしまうというケースも考えられるので。注意が必要。

想定している競合以外のプレイヤーによって、代替ソリューションを提供される可能性がないかも検討する必要があり。

例えば、人材紹介ビジネスはGoogleが参入を表明しており、機会学習、人工知能の技術により精度高いマッチングが提供されれば、脅威となる。

このような技術的な優位性を持ったリプレイスは脅威となる。

ストックビジネスを構築できるということ。

持続性という観点から、収益が積み上がっていくモデルをストックビジネスといい、その反対に単発の継続性がないビジネスをフロービジネスと言う。

例えば、定期購買モデルなどは、典型的なストックビジネスといえる。顧客は定期的に商品、サービスを購入してくれるので、ビジネスが安定する。

一方で、フロービジネスに依存している場合は、ビジネスの浮き沈みが出てくるため、収益が平準化せずリスクが伴う。

例えば下請け会社などが大手に商品を収めている場合などは、単発で受注が多い年もあれば、景気の変動によって全く売上がない年もある。

このようなフロービジネスの怖さは、売上は変化するが、固定費は一緒であるという点。

理想的なビジネスモデルは、ストックビジネスが構築できて安定的に収益が上がる基盤があるビジネスモデルといえる。

顧客のサービス依存度が高い。

粘着性の高いサービスだと、継続利用が続きストックモデルを強くしてくれる要素と考えられる。

例えば、企業の基幹システムに会社のサービスが使われているなど、スイッチングコストが掛かるサービスなどは、粘着性が非常に高い。

変更にかかるコストは、実際の値段だけではなく、日々使っている従業員の使いやすさ、慣れ、オペレーションにまで影響してくるから。

企業が提供しているサービス内容がクライアントにとって粘着性がどの程度強いかという観点も持続的な成長基盤としては重要な要素。

長期的、持続的な成長への投資を実施していること。

会社の成長に対する姿勢は成長に対してどれだけ投資をしているかという観点から分かる。

長期的成長に向けた投資なくして成長はあり得ません。チェックできる項目としては、

研究開発費がどの程度あるか、内容も含めてチェック

・新規事業への積極的投資を実施しているか。

・新たな商品ラインナップが増えているか。

展開地域を拡大しようと努力しているか。

とにかく新たな変化が企業に起こっているかということをチェックする必要がある。

優れた企業は、足元の収益基盤を確保すると同時に、成長に向けた投資を長期的目線で仕込んでいる

この観点で考えると、先行投資による一時的な利益の落ち込みは、積極的な投資をしている証でもある。

ただし、利益の落ち込みに関しては、内容を精査する必要があり。正しい投資への費用であれば、問題はない。

将来の成長に対して積極的投資をしていない、新たな動き、変化が企業に起こっていない場合には成長が止まっている可能性があるので、要注意。

優秀な経営陣はいるか。

ここは、過去の実績や財務状態をみれば、経営者としての実力はある程度観察ができる。

情報が限られる中で、お勧めの方法は経営者個人はどのような人かということに着目するという方法。

インターネット上で、代表の名前とインタビューと検索すれば、インタビュー記事や経歴が出てくる。

見るべきポイントとしては以下の通り、

創業者のこれまでの経験、経歴

様々な困難に直面した経験や、苦労をしている創業者は多いのですが、これまでの経験からどのようなタイプの経営者かということが何となくイメージができる。

堅実家、慎重派、大胆派、戦略家など、そこから企業の成長がどの程度見込めるかが想像ができる可能性がある。

インターネット上の情報なので、どこまで正しいかは分からないが、プラスαの情報として参考になる。

創業ストーリー

創業者がどういう思いで、なぜこの領域で起業することに至ったのかという背景が分かる。

それによって、なぜこの領域が魅力的なのか、どういう思いがあるのかが分かるため、一番最初に挙げた魅力的な領域かどうかという大前提を確認する情報が得られる可能性がある。

創業に対する思いの強さは、従業員や関係者を巻き込んで、会社を一丸とする上で重要となる要素なので、なぜ創業したのか、どういう思いがあるのかというはかなり重要なので、チェックする必要がある。

魅力的な領域であり、創業者の思いが強い領域であり、強いミッションがあるという企業は強い。

現経営者は創業者か、それとも後継か、雇われか。

やはり初期に急激に伸びている会社は、創業者がオーナー企業の会社が多いような気がする。

現経営者の立場をチェックしよう。

雇われの場合だと、創業者に比べて思いが弱かったり、事業を成長させるという野心的な考え方が劣っている可能性がある。

後継者の場合は、判断が難しいが、若いうちから会社の経営に携わっていたり、親の世代を超えたいという思いが強く新たなことに果敢に挑戦していく場合があるので、成長が見込める場合もあり。

現経営者の年齢

やはり若いに越したことはないと思う。

あまりにも高齢の場合だと、そもそも経営に居座り続けてしまい、新たなことに挑戦しにくい体制になってしまう可能性がある。

どうしても年齢とともに、体力は衰えるので、それを考慮した場合には、優秀な経営者は次の世代に早く引き継ぐ可能性がある。

株価が長期的目線では、割安であること

株価が割安であるかどうかって判断は難しいもの。

簡単な目安としては、PERやPBRがあるが、PERに関しては、成長に投資をしている企業においては一時的に利益が落ち込んでいる場合があり、あまり参考にならない場合がある。

割安株投資であれば、企業価値を算出して大体の理論株価と現時点の株価を比較することで割安か、割高かを判断することができます。

しかし、成長株となると成長性を考慮しなければいけないので、なかなか難しいのが現状。

一つ目安としてできることは、簡易的な企業価値を求めて比較するという方法。

簡易的な方法として、

企業価値=財産価値+事業価値

財産価値=現金同等物 − 有利子負債
事業価値=営業利益(過去三年平均)の10 倍

例えば、大伸化学(4629)の場合
現金同等物=28億円
有利子負債=6億円
営業利益平均=14億円

企業価値=22億円+140億円=162億円
時価総額は70億円。

なので比較するとかなり割安であることが分かります。

成長株の割安度の判定に関しては、また時間があれば紹介する予定。