アジャイルメディア(6573)事業内容、業績・株価分析、成長可能性
- 2019.03.16
- 株式投資

最近IPOした銘柄で、ROEの高さとトップラインの成長性からアジャイルメディアをピックアップ。
それでは、詳細を見ていきます。
アジャイルメディア事業内容
当社の事業のキーワードは、アンバサダー。
当社の説明によると、
”「アンバサダー」は、”特定のブランドや商品・製品について、自発的に満足を伝えたり推奨する存在”
ということです。
アンバサダー事業には3つのサービスがあります。
1. アンバサダープログラム
大手のメーカーが保有している会員に対して、当社がアンバサダープログラムを提供するサービスです。
ファンの中から選ばれたアンバサダー向けに、限定モニターやイベントに招待し、アンバサダー自身から商品の感想などを広めてもらう仕組みです。
当社は、アンバサダープログラムの運用の一連の流れを支援します。(告知>登録>企画募集・選出>活性化支援>口コミ発生>効果測定)
具体的な事例:
コーセープロビジョン株式会社
KOSE米肌アンバサダープログラム
このアンバサダープログラムのコンセプトは、SKIYAKI社が提供するファンクラブのサービスと似ている分野だと思われます。
SKIYAKIの方が商品ではなく、人を対象にしているので、どちらかというとファンの熱量がたかそうな印象を感じます。
関連記事:SKIYAKI(3995) 事業分析、株価|ファンクラブのサイトの運営事業
2. レビューズ
商品の魅力を伝えたい企業と、情報発信者(ブロガー、インフルエンサーなど)をマッチングするサービス。
3. アライアンスサービス
メディア企業やマーケティング企業と当社が持つデータやノウハウを活用した協業。
数字で見るアジャイルメディア
目論見書より
決算年月 平成29年12月(単位 百万円)
売上高 734
当期利益 63
営業CF 72
投資CF △43
財務CF –
現金、現金同等物 129
有利子負債 0
ROE 20.3%
従業員数 48名
アジャイルメディア 注目点
・効果が高いと期待できるアンバサダーの発見にノウハウが必要で、当社の強み
・クチコミを自発的に発信してもらうような活性化のしくみ作りもナレッジとして溜まっている可能性があり
・基幹システム「アンバサダープラットフォーム」で、影響力やクチコミによる貢献度を把握することが可能。
・アンバサダープログラムを通じて、顧客データを獲得できるだけでなく、顧客との近い関係性を築くことができる。マス向けプロダクトから顧客に重視した製品開発の時代のトレンドに合っている可能性。
・1プログラムあたりの単価は上昇傾向。
・マス向けのマーケティングからSNSなどの自発的なクチコミ重視のマーケティングへの注目が集まっている点。
アジャイルメディア、懸念点
・アンバサダーマーケティングのビジネスモデル自体参入障壁が低い。
・簡単に検索するだけで想定される競合企業は複数存在。
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・景気低迷時に、マーケティング費用は削減されやすく影響を受けやすい。
・プログラム導入ブランド数の伸びが低迷、2018年12月末時点で73(前期比 +5)
株価水準
2019年3月時点
時価総額:約29億円
PER(会社予想)約43.8倍
アジャイルメディア、経営陣
代表取締役CEOは上田怜史氏という方です。以下略歴
平成12年4月 株式会社エー・ビー・シー商会入社
平成17年3月 シーネットネットワークスジャパン株式会社(現朝日インタラクティブ株式会社)入社
平成18年10月 株式会社ディー・エヌ・エー入社
平成19年10月 当社入社
平成21年3月 当社取締役
平成26年3月 当社代表取締役社長(現任)出典:当社HP
インタビュー記事もありました。
参考記事:熱量の高いファンと企業をつなぐアンバサダー事業で急成長――アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 代表取締役社長 上田 怜史
もともと建築業界にいて、IT業界の機械に気づき転職しています。事業モデルや今後の戦略について書かれていて、参考になります。
DeNAの初期の頃に入社しているので、まさにIT業界がこれから盛り上がるというタイミングだったのだろうと推察できます。
最近はDeNA出身者の起業家も増えてきていて、優秀な人材が排出されていることが理解できます。
今後の事業展開として、DMPと統合したビックデータの活用という点は面白いと思います。
アジャイルメディア、まとめ
IPO銘柄によくありがちなのですが、上場後に株価は低迷しています。
現時点でも、PERが40台なので、単純に考えれば割高なのですが、売上と利益水準も低い水準でかなりの変動があるフェーズなので、単純には判断はできません。
大きな流れとしてのアンバサダーマーケティングのニーズは増えてきている(消費者の行動が変化していることによる)ので、成長が期待できる領域ではあります。
一方で、領域としては参入障壁が低い領域、景気に対する感応度が高い領域という点には注意が必要かと思われます。
現時点ではまだアンバサダープログラム自体の浸透は高くないのですが、アンバサダープログラムによって、多くの企業の成功事例が積み上がってくれば、自然と広まってくると考えられます。
そのためにも、アンバサダープログラムの件数をとにかく増やして、一つ一つの成功事例を増やす取り組みが現時点での最優先事項と考えられます。
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